ここは地球のとある大陸。
この大陸に住む人々はのどかで平和に暮らしていた。
しかし、時には人々の暮らしに脅かされる者が存在する。
それは街の外に生息するペットモンと呼ばれる者等といったモンスターだ。
大人しいものや凶暴なものまで多種多様の生物が生息している。
ただ、その中には街に入り込むものがおり、街にいる人々に危害を加えている。
人々の暮らしを守る為、危害を加えるモンスターを退治して追い返す者がいるが、
その中に、並みの人間よりもずば抜けた力を持つ者がいた。
その者の名前は正男。
彼は超人並の力を持ち、その実力は確かなものだ。
持ち前の力を生かし、凶暴なモンスターを軽く追い払っている。
彼の業が効したのか近年、街に入り込むモンスターが減少しており、
不安のない生活へ取り戻しつつある。
だが、彼だけは例外だったようだ。
スーパー正男1 ver2007
〜 正男の家 〜
野原や畑が一面広がっており、人の気配はまばらだ。
そこに一軒の家が建っている。 玄関の横の壁に付けられている名札には正男。
そう、この家はあの超人が住み処である。
正男「あぁ・・・、暇だな」
赤の帽子とオーバーオールに、青いシャツを身に着けているのが正男である。
超人であるそんな彼は部屋中を寝転がりながら気ダルそうに呟いていた。
向こうの部屋から緑の帽子とオーバーオール、白いシャツを身に着けた男が入って来た。
彼は正男の弟、浩二である。
浩二「兄さん、みっともないよ」
正男「だって、暇じゃないか。 仕事が少なくなっているんだしさ」
彼の生業は街に入り込んだペットモン等のモンスターの退治である。
そのお陰で人々は安心して暮らせる様になり、彼を敬っていた。
しかし近年、根本的な原因にもなっていた野山の餌の減少が気候変動の安定により解消されていき、
さらには警察や軍等から猛獣対策に講じており、
街に入り込む猛獣の数が減少の一途を辿っている。
こうした事もあってか彼の仕事は前と比べ激減、
嘗て街の英雄の象徴として親しまれていたが、それはもう過去のもの。
今は毎日、家で寝転がりながら過ごすという怠け者同然の姿を弟の目の前で晒しだしている。
浩二「だからといって一生寝転ぶつもりかい?
あー・・・、あっち(※)の兄さんと比べるともう悲しくなってしまうよ」
(※)・・・REDZONE、THESUPERMASAOシリーズ
正男「こっちの方は平和でいいだろ」
怠けた顔で浩二にそう言い返した。
その後もダラダラと会話をし続けた。 ・・・だが、その最中に
ヒューーーー・・・・
ズドォーーーーン!!!!
正男「んっ、なんだ!?」
突然の轟音に驚き、正男は一気に起き上がる。
浩二「兄さん、外を見て!」
浩二は窓に指を刺す。 正男も窓へ駆け込んだ。
窓を開け外を見渡すと、向こうにドス黒い煙が立っていた。
正男「地震じゃない・・・、飛行機か何かが墜落したみたいだな。
ちょっと、近くまで見てくる!」
浩二「えーっ! エイリアンの船だったらどうするんだよ」
正男「大丈夫だって、俺は超人と呼ばれていた男だ。
という事で、留守番頼むぞ!」
浩二の制止を振り払い、家から飛び出す正男。
正男「久しぶりの外出だな。 行くぜ!」
正男は煙の立つ場所へ向かっていく。
この行動が"とある一国を救う大冒険"になるとは彼は知る由もない。