~ 高層ビル・屋上 ~
建設中のビルを出て,敵の猛攻を掻い潜りながら,
別のビルの屋上に辿り着いた正男。
その屋上で,謎の機械が中心に置かれているのを目にする。
正男はそれを直ぐに判明する。
朝の時間のニュースの映像で出ていた開発中の無人の大型衛星だった。
その衛星がまるで意図的に,そして正男を誘うかの様に置かれているのだ。
正男「これはまさか・・・。」
??「そうだ,俺の世界征服の計画にはそれを必要としているからな。」
誰もいない屋上で突然声を掛けられ,驚く正男。
彼は直ぐ,首を上に向け上空を見上げた。
見ると,スペールが浮遊をしていた。 どうやら魔法の力で浮遊する事が出来るみたいだ。
クリスはスペールに服の後ろの襟を掴んでいる。
彼の手が離せば,クリスは当然地面に叩き付いてしまう。
スペール(??)「よくここまで来れたものだな。 大したものだ。
だが,これで終わりになるだろう。 お前を含め,この世界が!」
正男「お前の下らない計画で成功出来ると思うか?
そんな唯の衛星を盗んでさぁ・・。」
スペール「なぁに。 盗む事自体,まだ序の口だ。」
正男「・・?」
スペール「俺はこの衛星を盗み,それを向こうで軍事衛星として改造する。
下部に強力なビーム砲等の武装を施し,大量生産を行う。
ある程度数を増やしたところで量産された衛星を含んで宇宙へと飛ばす。
そして,地球全体に向けてビーム砲を発射する訳だよ。
俺の計画は超大スケールそのものだぜ。」
正男「そんな馬鹿げた超大さなんぞ,俺の手で脆くしてやるよ。」
クリス「ちょっと正男! 話してないで,私を助けてよぉぉ!」
正男「あっ!? そうだった。 スペール,彼女を離してやれよ!」
スペール「あぁもう必要性が無くなかったからな。 おらよ。」
スペールはクリスを掴んでいる手から離した。
15mの上空から・・。
クリス「キャアア!」
上空から落ちて来るクリスを,正男が両手で受け止めた。
クリス「ありがとう・・。」
正男「あぁ・・。」
正男はクリスを下ろした。
正男「手荒だな・・。 それより,何故クリスをさらう様な事をした!?」
スペール「理由? 簡単だよ。 そいつがバックを拾ったからだ。
そのバックは衛星について重要な機密情報に設計図の書類とデータが入っている。
まぁそいつが中身を見たかどうかは俺は確認していないが,念の為だ。」
正男「・・悪い奴等にとっての卑劣な手段だな。」
スペール「さぁてと,お前との話は終わりだ。
衛星による世界征服の前にお前は俺の手によって死ぬ運命だ!」
そう言うと,正男が立つ位置の方へ舞い降りて来る。
正男「死ぬ運命だ・・死ぬ運命だ・・。
お前って 相当傲慢な態度を持つんだな。 ゼロスという男と違って・・。
悪は必ず成功しない事をこの手で教えてやろう!」
今回の事件において,最後の戦いが幕を上げる。
この後,スペールはある手段を戦いの途中の時に取ろうとしていた。