宝石の様に輝く海,それに波打つ海岸の砂。
温かな空気で包まれ,南国気分を味わえる。
煌びやかに輝くこの地で一人の男が歩いていた。
彼の名は正男。
世間では超人と呼ばれる程の力を持つ男として広く知らしめている。
彼はその力で敵組織が起こした野望を二度も食い止めたのだ。
栄誉であったが,それ等は過去の話。
普通の人として戻った彼は,海岸沿いを歩きながら街へ向かっている。
彼が向かう街の名は,エメラルドシティ。
有名なリゾート観光地として知られ,シーズン中は多くの観光客が訪れている。
超人である彼も観光客の一人である。
あの時の戦いを終えた正男はリゾート観光地,エメラルドシティで一人で余興を過ごそうとしていた。
あの観光地が戦場に変貌する時が来る事を知らないまま…
スーパー正男3
〜 海岸 〜
正男「海沿いを歩くのは結構,気持ちいいよな」
ほほ笑んだ顔で,砂の上に自分の足跡を残しながら歩き続ける正男。
正男「浩二を連れてこれなかったのは残念だったが,まぁいい,
お土産でも買ってくりゃあ何とかなるだろう」
彼には弟の浩二がいたが,何らかの理由で共に来られなくなった様だ。
正男「うぅー,ちょっと疲れて来たな。 そこに座ろうか」
正男は陸地側のコンクリート製の段差に腰を掛ける。
彼は海側の風景を眺めようと,左右を見渡す。 すると,右側から醜悪なものが映る。
正男「…」
目を凝らしながらよく見ると,一台の黒いワゴンが砂浜の上に止まっており,
傍には二人の緑の服の男が降りていた。 一人は,タバコを吸いその辺で投げ捨てた。
そしてもう一人は,ズボンを少しだけ降ろし,小便をし始めた。
その光景を見た正男は,溜息しながらも立ち上がり,二人の男の方へ近寄った。
正男が近づいてくる事に気付いた二人の男も,彼に近付いた。
正男「よう,お前ら看板の注意書きを見なかったか?」
男1「あん,誰だてめぇ!」
男2「むっ! どこかで見たような。 おい,こいつは正男だぞ!」
男1「何っ! 貴様は正男か?
ならば,ゼロス様のご命令で見掛けたら即排除と命令されている。
ここで死んでもらおうか」
正男は前から,この男らは誰なのか判っていた。
それはゼロスの配下だからだ。
正男「やれやれ,小便するような野朗共のせいで俺はご機嫌を損ねてしまったようだ。
ここで死んでもらおうか…,というよりも死ね!」
そう言うと,炎を纏った拳で男二人に格闘技をかました。
男二人はその場で『グハァッ』と吐き血をし,その場で果てた。
正男「くそっ,この街で嫌な祭りが起きそうだぜ」
正男は急いでエメラルドシティへ向かって行った。
彼は確信した,奴等と三度目の戦いが迫っているとは…
だが,それだけでは無かった。 奴等よりも凶悪な存在が現れるとは知らずに…