〜 市街地・郊外 〜
戦火に包まれた街の中を進み,ようやく街から少し離れた場所に辿りつく。
後は警察に連絡し,クリスを保護してもらうだけ。
正男「警察が来れば,クリスはもう安全だ」
クリス「えぇ,そうね」
???1「だが,しかしだ」
正男「…むっ? この声はもしや」
???2「そうだ,振り向け正男。 俺達はこの瓦礫の上に立っている」
二人は振り向いた。 崩壊した雑居ビルの瓦礫の上に二人の男が立っていた。
二人の男は正男を見詰めていた。
正男「ゼロス…,スペール!!」
ゼロス(???1)「久し振りだな」
スペール(???2)「ここで会うのは生憎だ」
正男「やはりお前らだったか! 何の目的でこんな事を?」
ゼロス「いつもの事さ,俺達の実力を示す為に破壊活動を行っている」
正男「自己満足の為にか!?」
スペール「その通りの事よww」
正男「だったら許さん。 お前ら纏めてブチのめしてやる!
…クリス! ここは危険だから早く逃げるんだ」
クリス「分かったわ…,正男 気を付けて!」
正男にそう促したクリスはその場から走り去って行った。
正男「じゃあ行くぜ!」
ゼロス「来い!」
正男は今,二大強敵に立ち向かう。
数分後…
強敵二人と戦い合うのはこれまでにない激戦である。
それでも正男は挫けない。 互角で繰り広げているのだ。
…だが,ここで思わぬ展開を迎える。
崩れたビルの隙間からスナイパーライフルの銃口が突き出てきた。
その銃口はじわじわと正男に向けた。
銃を持った者は躊躇わず引き金に人差し指を触れる。 …そして
バアァーーーン!!!
引き金を引いた!
正男「ぐおおっ!」
スナイパーライフルから放たれた銃弾は卑猥にも正男の尻穴に命中する。
流石の彼も思わず苦痛を上げるが,それは一瞬。 徐々に力を抜け,やがてその場で倒れ込んだ。
そんな姿を見たゼロスは失笑を買った。
スペール「おいおい,ゼット! 大事なケツ穴に麻酔銃を撃ち込むとは,
元軍人と思えぬとんだ悪態振りだな」
発声すると,崩壊したビルの窓が割れ,そこからスナイパーライフルを持った男が出て来た。
この男がスペールの言う,ゼットである。
ゼット「俺の腕前は鈍ったるいものではないな…」
スペール「これで正男という一つの問題が片付いたぜ。」
ようし,さっさとコイツを捕らえるぞ」
ゼット「そして,俺がコイツを遊んでやるぜww」
スペールの転送魔法で3人と気絶した正男は一瞬眩い光を発し,
それが過ぎた瞬間,その場から消えた。
クリス「あぁ…,そんな」
遠くへ避難した筈のクリスは遠く離れた瓦礫の中で身を隠していた。
彼女は正男を心配しており,不安に思ったのかこの様な行動をしてしまったらしい。
超人である正男が敵に連行するという有り得ない光景を目にしたクリスは当然唖然,
正男やゼロス達がいなくなっても暫くはその場で呆然としていた。