〜 洞窟・入り口 〜

 

ゼロス「ぐわっ! ぐぐギィッ,一旦引くか」

 

 

正男の相変わらずの優勢振りを見たゼロスはその場から身を引いた。

逃げて行くゼロスを正男は呆然と見詰めていた。

 

 

正男「( 今のはゼロス…,俺が戦った宿敵の一人がこの世界の人間だったとは )」

 

ルルン「正男! 大丈夫?」

 

正男「心配するな。大したことは無い」

 

 

激闘を終えた正男達は再度,奥へ歩んで行った。

正男にとって,今ここで分かったのはゼロスが帝国軍の一人であり四天王という座に着いている事だ。

 

 


 

〜 ヴェルフォルニア 〜

 

ヴェルフォルニアは魔法が盛んな国として知られており,多くの魔法使いや魔術師,魔導師が集う。

昔から高度な魔術を有しており,優秀な者の多くはこの国から輩出されている。

 

帝国軍の騒乱により,この国は相当な魔力で身を固めている。

 

…筈であった。

 

 

???3「これで目論見通りに行きそうね」

 

 

国の居城で,一人の女が佇んでいた。

彼女はマリネである。 帝国軍四天王の一人である。

 

制圧までは及んでいないものの,偉大なこの国もやがて彼女の手に掛かってしまったのであろう。

 

 

そこへ一人の部下が近寄り,緊迫した状態でマリネに話し掛けた。

どうやら緊急事態の様だ。

 

 

部下「ご報告します。 正男という男が二人の仲間を引き連れて,この街へと向かって来ます。」

 

マリネ(???3)「そう,ならば厳重に警戒して」

 

 

マリネはそう伝えると,部下は彼女の下から引き下がる。

 

マリネ「どんな奴か見物ね」

 

 

そう静かに呟くと居城から周辺を眺めていた。

 

 

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