~ 火口の中 ~
正男「驚いたな…,道とは言え,どうしてこんなところを通るんだい?」
ルルン「答えは簡単! 上級者向けの近道だから」
ルルンの談によると,別の街へ行くのに他の道もあるらしいが遠回りになる為,
火口を通り抜く道こそが時間面において絶好の近道であるという。
正男「成程,危険で過酷で慣れればどうって事ないんだな…」
納得できない部分があるもの,ここの人達のある意味での凄さに感心する正男。
…だが,その時
マシュリン「正男! 避けて」
マシュリンは突然,正男に大声で回避を促す。 それを聞いた正男は岩陰に隠れる。
見ると,向こうから幾つかの火の玉が流星の如く飛来してきた。
あんな物を当たってしまったら,身体が燃え尽きる前に衝撃で破裂してしまいそうだ。
何事かと思い,岩陰から顔を出し前方を見渡すと,火の玉の根源が直ぐに分かった。
正男「 ( むっ,コイツはまさか… ) 」
マシュリン「ゼロス!」
ルルン「そんな…,帝国軍四天王の一人がよりによって何でこんなところに」
そう,その正体は正男の宿敵の一人,ゼロスであった。 この世界で奴が現れるとは…。
だが,何故此処に? しかも,この世界の住人達は奴を知り,戦々恐々している。
ゼロス「やはりいたか…,正男よ」
ルルン「えっ!?」
マシュリン「どういう事!?」
正男の顔を見たのか,ゼロスは彼の名前を呼んだ。
それに驚くマシュリンとルルン。 相手が正男を知っているなんて思っていなかったからだ。
ゼロス「ここで再開できるとはな…,早速だが死んでもらう!」
そう叫ぶと,正男に目掛けて火の玉を放った。
正男「うぉっ!」
咄嗟に避ける正男。
マシュリン「何てこと!」
ルルン「正男が狙われている!」
正男「ルルン,マシュリン! どうやら俺が標的のようだ。 俺がコイツを何とかする!」
まぁ言うのも,俺はコイツと何度も戦っているからな。 対処法は知っているし…