~ 平野 ~
山脈から下山し,更にその先へ進む正男達一行。 そろそろ目的地が近付いてきたようだ。
正男「二人とも結構,優秀な魔法の使い手みたいだな」
マシュリン「まぁね。 貴方も結構な腕前よ」
正男「しかし,大丈夫か? 腕利きのある奴が国を抜け出して…。 守りが手薄になるぞ」
ルルン「大丈夫だよ。 ボク以外にも強い魔術師が一杯いるよ」
正男「そうか…,微塵に感じない程 守りは強固なんだな」
しかし,そんな安全神話は脆くも崩れ去る。
マシュリン「嘘っ! 何これ?」
ルルン「街が燃えてる!」
ヴェルフォルニアに辿り着いた正男達。
だが,三人が見たものは崩れた防壁に壊れた城門,燃え盛る建物群,空に舞い上がる黒煙
…と,想像絶する程の惨状だった。
正男「おい…,名門じゃなかったのか? どえらい事になってるぞ」
マシュリン「どうして私たちの国が!? 急がなきゃ」
三人は既に帝国軍の魔の手に落ちた城下町へ入って行った。
だが,そこから離れた場所にある崖の上で全身白フードの男が,
望遠鏡で三人の行動を眺めていた。 何者だろうか…?