ストーリー

 

 

~ アクアリアス ~

 

アクアリアスとは海岸に接した人口の多い港町である。

此処の港湾は広く多くの貨物船や漁船、稀に王族が乗る超大型船がこの港湾に寄港した事がある。 

漁業が盛んで街中では多くの海産物が売り出されており、街の住民を始め旅人、貴族、果てには王族まで新鮮な魚産物を求めてこの街に訪れる。

造船所も併設され、ここでは建設器具や資材によって多くの船舶を製造を行われている。

 

その恩恵を受けてか繁盛しており、有名な港町として遠い国にまで広く知れ渡る事になった。

 

 

普段は冬の季節を除いて穏やかな気候で覆われており、温かく感じられる。

この海は大海原へと続くが、入り江で囲まれたところで立地しており潮の流れが少ない。

その為、海岸のある砂浜では穏やかな波が立つ。

 

だが、この日の空は分厚い雲で覆われており街全体が暗くなっている。

所々で雷雲が発生しており、高空では霰が摩擦や粉砕によって発生した静電気によって稲妻が出来、それが地上に落雷する。

 

 

今でも豪雨が降り出しそうな荒れた天気の下で帝国軍が

この街に進軍を果たし商品の略奪や家屋の放火など悪事が行われていた。

 

 

戦乱の最中、帝国軍の後を追うように正男達もこの街へと足を踏み入れた。

街の人々の恨みや怒りを晴らすかの様に・・・

 

 

正男は自身の視界に帝国軍の兵士や魔物に映ると、すぐに格闘やファイヤーボールで撃退する。

マシュリンは飛来してきた兵士が乗る翼竜を鉄をも貫くレーザーの魔法で相手を纏めて貫通、炎上する家屋に墜落させた。

 

三人はあらゆる戦術で街中にいる帝国軍の猛威を振り払う。

一秒でもこの穏やかな海の街を取り戻さなければならない。

 

 

正男「おかしいな、どれだけ倒しても数は減らないぞ」

 

マシュリン「ひょっとして・・・、スペールの仕業かも?」

 

正男「どういう事だ?」

 

マシュリン「奴はあらゆる敵を召喚する魔術を持っているわ」

 

正男「成程、魔法を使えるアイツなら。 ザコを寄越すのも容易い訳か」

 

マシュリン「貴方もスペールを知っているのね」

 

正男「あぁ」

 

 

クリスという知り合いを攫ったり、軍事衛星を強奪したり、ゼロスと組んでリゾート都市を襲ったり、

奴が仕出かした所業は今でも忘れた事は無い。

軍事衛星の爆発に巻き込まれても生きて帰る程、魔術師の割には丈夫な肉体である事を知った時も頭の片隅に入れている。

 

 

正男「なぁマシュリン、ここにルルンの姿がいないんだが・・・?」

 

マシュリン「えっ どういう事!?」

 

 

二人は四方を振り向いたが、ルルンの姿が消えていた。

 

 

マシュリン「あの子ったらまさか・・・、無茶をする気だわ!」

 

 

 

 

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~ アクアリアス近辺・海上 ~

 

街から離れた近海では多数の帝国軍の軍船が停泊している。

大海原からやって来たこの船群が大勢の兵士を港町に送り込み、海からの侵略を果たそうとしていた。

 

 

一隻の軍船にて

甲板には二人の兵士がいた。

一人の兵士は見回りで退屈していたのか、欠伸をしながら背伸びをしている。

もう一人の兵士は状況を確認する為、船室から持ってきた望遠鏡で船の端に近づいて行く。

船の端に着き、望遠鏡で眺めるもう一人の兵士。

 

 

ザバァーーン!!

 

 

突如、海中から水飛沫が爆発でもしたかのように船の上まで噴き上がる。

 

 

もう一人の兵士「アアアアアアーーーッッッ!!!」

 

 

もう一人の兵士が何かに掴まれ、海へ放り出された。

実は水飛沫と共に女性が飛び上がっていたのだ。

 

 

女性は甲板の上に降り立つ。 驚いた背伸びの兵士は剣を取りだした。

だが束の間、彼女は左手で右腕を支えながら相手に向けて、高圧水鉄砲の魔法を放つ。

 

 

煉瓦ブロックを貫くその水鉄砲は兜を被った兵士の顔面を後頭部にかけて、一瞬で穴が開く。

水による秒殺を受けた背伸びの兵士は潜血をポタポタと垂らしながら、甲板に倒れ込んだ。

 

 

ルルン「はぁはぁ・・・」

 

 

女性の正体はルルンであった。 何らかの理由で正男達の下から離れ、船群に向かっていたのだ。

急いで泳いでいたのか、両手で膝をつきながら息を切らしていた。

 

 

ルルン「目指すはあの大型船・・・」

 

 

ルルンの視線の先にはどの船舶よりも巨大な船が佇んでいた。

彼女はどのような強い思いで、船群での戦いを望んだのだろうか・・・?