ストーリー

 

~ 鶴来緑地公園・階段の前 ~

 

春美「この階段を登れば病院はすぐそこね。」

 

 

そう言いつつも,階段より全く別の方向で顔が振り向く・・。

何かが気になった。 その振り向いた先は厳密に施錠されたフェンスの扉・・。

フェンスには張り紙が張られ,そこに禁止マークが描いていた。

 

 

気になるところだが,彼女は前方を振り向き階段を登り始めた。

 

 

春美「確か100段はあったよなぁ・・,また登るなんて・・。」

 

 

溜め息をつきながら,50段のとこまで行き着いた時だった。

 

 

ビュン ビュン

 

 

遠く離れた後方から素早く尖がった物が2本飛んで来た。

その2本が階段の段差と花壇に突き刺さる。

 

 

素早く尖った物の正体は木の矢だった。

 

 

春美「・・!?」

 

 

危機を感じた春美は後ろを振り向いた。

 

 

暗い何本の木の間から,浮遊した少女の影が見えた。

その影が春美の方へと近づいて来る。

 

 

ある程度近づいた時,姿を現した。

 

 

それは緑色の洋服を着た金髪の少女で,右手には木製のボウガンを武装している。 

両肩にはワイヤーが付いており,上には小型のヘリが飛んでおり,それで浮遊している。

 

 

眼が赤く,無表情な少女は春美を目掛けてボウガンから矢を放つ。

まるで呪われた操り人形の様なものであり,恐怖に身を震わせてくる程だ。

 

 

だが,飛んで来る矢を避けた春美はこの恐怖には動じなかった。

魔法少女としての経験を積んでいるため,こんな場面でもへっちゃらなものである。

 

 

春美「こんな時に・・・ ( 構える ) 」