~ 奥鶴来寺・井戸 ~
修平「こんなところにお寺があるのは,本当だった様だな。」
奥鶴来寺とは大昔に建てられた小さな寺院である。
しかし,年数が大分立っているせいか,老巧化が進み,
市の担当者が調査したところ,建造物の耐震性等に問題が有る事から,
補修工事のために,工事期間中は寺への道をフェンスを建てて封鎖させた。
春美「だから立ち入り禁止になってたんだ。」
修平「まぁそうだな。 市内の地図と資料でそう書かれていたからな・・。」
春美「取り合えず・・,井戸のとこまで着いたけど,幸江の姿はいないね。」
修平「う~む・・。」
困り顔になった修平は,井戸の淵の上を座り込む。 …すると
バリッ!!
井戸のふちが壊れた。 老巧により,脆くなったためである。
修平「うわあーーっ! (井戸の底へ落ちる) 」
春美「修平!」
驚いた春美は修平を追うため,井戸の底へ飛び降りた。
~ 井戸の底 ~
スタッ!
春美は無事に井戸の底へ着地した。 そして気絶した修平を手で叩いて起こした。
修平「あぁ・・ 有難う。」
春美「良かった。 無事で・・。」
修平「・・にしても,ここは井戸の底だよな。
辺りを見回すと,まるで洞窟だぞ。 しかも,奥の方へ続いてるし・・。」
井戸の底は洞窟の様な構造になっており,1本の奥の方への道があった。
修平「きっと・・ アイツは井戸の底へ下りて,
奥の方へ逃げたかもしれん。とにかく行くぞ。」
春美「うん・・,それに足跡も着いてるし。」