〜 商店街出口・広場 〜

 

砲台から出る砲弾や、口から吐く炎に最初は戸惑いを見せた二人。

それでも、少女は杖から光の弾を放ったり、修二は怯んだ竜の頭をスコップで

強く殴ったりする等、反撃を行った。

次第に赤い竜の様な化物の攻撃の前兆が掴むようになり、徐々に有利に進んでいった。

 

 

化物の首に少年のスコップの先端突きを食らわすと、ついに化物は唸り声を上げ、

頭が地面に着き、やがて動かなくなった。

 

 

何故か武器を持っていた学生二人は、赤い竜の様な化物を仕留める事が出来たのだ。

正男がそこに立っていたら、『子供にしては、ちょっと中々やるな。』と言ってるのかもしれない。

 

 

少年「驚いたな・・、こんな化物が出てくるなんて。」

 

 

少女は死んだ赤い竜の様な化物を見て、じっと見詰めていた。

何か思い出しているようだ。

 

 

少女「おい、どうした?」

 

 

少女「ドラゴブルグ地方に住むドラゴンの一種みたいだけど・・、

色がそんなに濃くないし、砲なんて付いていない。 どうしてかしら・・?」

 

 

少年「・・・・?」

 

 

少女「あっ、つい、言ってしまった!」

 

 

そう言うと、恥ずかしながらも、両手で口を塞ぐ少女。

 

 

少年「別に言ってもいいよ。

もう只者じゃないのは分かっている事だし。」

 

 

少女「・・・そう。」

 

 

小声で言う少女だった。

ただ、その表情には何か言いたそうな雰囲気が漂う。

 

 

少女「一応言っておくけど、私・・、ここの世界の人間じゃないから。」

 

 

少年「・・・・そうきたか。」

 

 

少女「私が住む世界は巨大な悪が存在する。

その勢力の一部がこの世界で暗躍し始めたから、

それを防ぐ為に、私は来たの。」

 

 

少年「成る程ね、その杖を武器にしている事か・・。」

 

 

少女「うん、魔法を扱っているから。 私の言いたい事はここまでよ。

私の正体まで知られてしまうと、貴方にも危険が晒されるかもしれないから。」

 

 

少年「マジか・・。 ( とは言え、傍にいるだけで、嫌な予感が・・。 )」

 

 

少女「私の話は済んだところだし、ここから離れないと行けないね。」

 

 

少年「でも、不安がある。 市役所の人達が心配だ。」

 

 

少女「助けに行こうと考えているの? でも、危険だよ。」

 

 

少年「自分は市役所の人達に今日のお世話をしてくれた。

優しく迎えた事が忘れられない。」

 

 

少女「ここは警察がやってくれると思うよ。」

 

 

少年「化物の群れの数を見てみろよ・・。 この数じゃ、地元の警察では手に負えない。

自分は行くんだ。 自分が持ってる武器で十分だ。」

 

 

少女「そうよね・・。 言われてみれば・・。

君だけは危険だから、私も行かなければ。」

 

 

二人はお世話になった人達を助ける為、市役所へ向かって行った。

 

 

魔法を使う少女は、漫画やアニメに登場する物だと思っていた少年。

しかし、少女がそう言ってから、少しながらも惚れてしまった。

ただ、少女が正体を言わなくても、側にいる時点で

危険が訪れるかもしれないとそう考える少年。

 

 

少年の心配事が、現実のものとなってくるのである。

 

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 

 

〜 4階建てのビルの屋上 〜

 

化物すらいないビルの屋上で突如、別次元の穴が開きだす。

その穴から赤髪の青年が降りてきて、地面に着く。

赤髪の青年は楽観的に満ち溢れていた。 ある標的を狙うという楽しみの為に。

 

 

赤髪の青年「おぉ、ここかぁ! 

こりゃあ、寂れたところに小娘がいるなんてよぉ。」

 

 

戻る