〜 病院・内部 〜

 

修平「うおぉぉっ!」

 

 

修平のスコップ突きで,相手が持つスクイージーを折らした。

 

 

狂人「なっ!」

 

 

春美「フン!」

 

 

ブス!

 

 

春美の尖った杖で狂人の腹を突き刺した。

 

 

狂人「ぐわああっ!」

 

 

春美が杖を抜くと,狂人は膝を床に着き,そのまま倒れ込んだ。

 

 

狂人「ケケケッ・・。 お前等最高だぜww。」

 

 

修平達との戦いで満足したのか,

苦しまず,健やかな表情を浮かべながら目を閉じ,やがて動かなくなった。

 

 

どうやら勝ち負け等,どうでも良かった様だ。

 

 

修平「可笑しい奴だったな・・」

 

 

戦いを終えた春美はグレイドの方へ振り向いた。

 

 

だが,そこに座っていた筈のグレイドが居なかったのだ。

 

 

春美「・・・グレイドがいない。 逃げたな。」

 

 

代わりに一枚の手書きの紙が落ちてあった。

春美はその紙を拾い上げ,早速読んでみた。

 

 

= = = = 手書きの紙の内容 = = = =

 

お前宛の手紙には初めてだ。 もう一度言っておくが,

 

俺とこの街の奴等とは一切何も関わっていない。

 

チビを倒すために俺一人で来ただけだ。

 

だが今回は見逃してやる。 でもこれで終わったと思うなよ。

 

それに付き添いのあの帽子野朗にはこう言っておけ,

 

俺たちの帝国は帽子野朗に目を付ける事にするからな。

 

= = = = 内  容  終  了 = = = =

 

 

修平「俺はアイツ等に目を付けられるのか?」

 

 

春美「そうらしいね。」

 

 

修平「・・・勘弁して欲しいよ。」

 

 

荷の負担が増した修平,しかし・・

 

 

修平「こうなったら,返り討ちすればいいだけ。 そうしよう。

世の中,良い事ばかりだと限らないし」

 

 

春美「気の直りが早いね。」

 

 

修二「嘆いても仕方ないからな…」

 

 

トイレから出た二人は幸江と再会する為,直ぐに玄関へ戻って行った。

目的は達成した後は,幸江と共に避難場所へ向かうだけだ。

 

 

だが,病院から出た時,

予想を覆す展開で二人は唖然とする。

 

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

〜 病院・玄関口 〜

 

建物から出て,元の場所へと戻った二人。

だが,其処で待っている筈の幸江は姿を消していた。

 

 

修平「隠れているのか? 車も置きっぱなしだし」

 

 

幸江が使っている車は止まっている。 身の危険が感じたら,車に乗って逃げる筈だ。

 

 

春美「大声を掛けてみない?」

 

 

??「その必要はないわね。」

 

 

森の茂みから発する女の声。 二人には聞き覚えが有り,

誰なのか直ぐに分かった。

 

 

修平「何だ,そんなところに隠れていたんだ」

 

 

春美「もう終わったよ。 出てきてよ」

 

 

幸江(??)「そう・・ 安心したわ。」

 

 

そう言うと,森の茂みから幸江が出てきた。 二人はこれで安心するかと思っていた。

 

 

・・・が、しかし

 

 

春美「・・!?」

 

 

修平「一体その姿は何だ,幸江さん!?

 

 

何と,幸江の姿は体全体,青薄く染まっており,

彼女の瞳も赤く充血していた。人間というよりまるで化け物である。

 

 

春美「まさか・・・,化け物に襲われて仲間になったんじゃ・・?」

 

 

幸江「あらあら『襲われた』だなんて・・ 失礼ね。

私は襲われていないわ。」

 

 

修平「おい,それは一体どういう事だ!? 説明しろ」

 

 

幸江「貴方はこの姿を見て態度が変わった様ね。

それに貴方達は無事に帰って来れたわね。 スイージに襲われながらも・・」

 

 

幸江が少し微笑むと,20体程の敵が森の茂みから出てきたのだ。

 

 

幸江「これで終わったから帰ると思っていないかしら?」

 

 

修平「思ったらどうなる って言うんだ?」

 

 

幸江「ウフフ・・ そうは行かない事よ。 

貴方達は良くここまで頑張ったわ。 でも,残念だけどここで死んでもらうわ。」

 

 

そう言うと,敵達は修平達の方へ歩み寄った。

 

 

修平「おい待て! どういう事だ!」

 

 

幸江「さようなら・・ww」

 

 

幸江は公園へ向かう階段へと降りて行った。

それと同時に敵達は修平達へと襲い掛かる。

 

 

修二「何が一体どうなっているんだ!?」

 

 

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