〜 ??? 〜

 

大型カプセルがある部屋で修二達が入って来た。 だが,そこに幸江の姿が入なかった。 

春美は横に寝かせてあった大型カプセルに目に付く。

 

 

それに近寄り春美は,そのカプセルの中を覗こうとするが,

透明性の無い青い液体で浸されているため,中身が分からない。

 

 

修平はそれを見ると,嫌な予感を感じてしまったのか,服の裏から

ダイナマイトを取り出した。 それは修平が迷彩服を着た敵との戦いで奪ったものだ。

 

 

春美はそれを見て驚いたが,修二がカプセルを破壊する訳に同調した。

修平は早速,導火線に火を付け,カプセルの上に置いたその時・・

 

 

カチャッ・・

 

 

気配を感じた修平は後ろを振り向く。 後ろには散弾銃を構えた幸江が立っていた。

彼等が来るのを隠れて待っていたのだ。

 

 

ドオォォォン!

 

 

幸江が持つ散弾銃は彼等に向けて撃ち出した。 二人は咄嗟の判断で散らばった銃弾を

大きく避け,修平は導火線に火が付けたダイナマイトを幸江の方に投げた。

 

 

ドガァーーン!!

 

 

幸江がいた場所に落ちて爆発した。 だが,そこに幸江の遺体は無かった。

二人は左右を見渡した。 すると違う方向に幸江が立っていた。

幸江は瞬間移動をする能力を持っていた様で,その場所へ目に見えぬ速さで移動していた。

 

 

幸江「その子から離れるのよ!!」

 

 

大型カプセルに指刺しをしながら,片手で散弾銃を構えた。

修平は指刺した方向が大型カプセルである事と『その子』という言葉に気付き・・

 

 

修平「ひょっとして・・?」

 

 

幸江「そのカプセルは亡くなった育ての子が入っているの。

私の手で元気に生き返らせるために入れているのよ!!」

 

 

春美「それって交通事故に遭った幸江さんの養子さんの事なの!!

貴方の姉さんやこの子に,こんな事をしていいと思っているの!?」

 

 

幸江「元の生活を戻るためにやっているのよ!! 

でもそれだけでは駄目だわ,この子と共に暮らす街の環境を変えるためにもね!!」

 

 

修平・春美「・・・!!?」

 

 

幸江「あらあら・・,どうやら街で現れた化け物が現れた原因は私だと思っているようね。

そうよ,全ては私がやった事よ! それにこれは事件では無い! 私の環境作りの第一歩なのよ。」

 

 

修平「その台詞からお前の仕業だったんだな…,じゃあアンタは人間じゃないんだな?」

 

 

幸江「ウフフ・・ そうよ。 元々は数百年前の人間だったけど,今は妖怪となって生きている。」

 

 

修平「妖怪・・・?」

 

 

幸江「言ったでしょ.私は数百年前の人間で今は妖怪だって事を・・。

育ての子や私の姉さんは数百年前の人よ。

 

 

春美「・・どういう事?」

 

 

幸江「数百年前・・ 私は薬剤師をやっていたの。 

そんなある日,姉が病気で亡くなったから私は姉の息子を引き取った。

あの子はまるで私の子供みたいで可愛かった。 でも,そんな幸せな時は長く続かなかった。」

 

 

穏やかだった幸江の表情がガラリと変わった。

 

 

幸江「ある出来事で私は死に至り,妖怪になった。

これがきっかけであの時代は駄目な世の中だと感じた私は,

姉の息子(育ての子)と共に冷凍冬眠を経て,今のこの時代に目覚めた。

でも今も昔とは何も変わらないもの散々なものだった。 私は転々と移り住みながら,

ここにやって来た。 最初は良い街だと思ってたけど・・,そこで育ての子が

交通事故で亡くなってしまった。」

 

 

修平「(だから,この街で市の職員や医者とかやっていたんだ・・。)」

 

 

幸江「私は決めたの,自分の手でより良い環境作りをするためにね。」

 

 

修平「だから環境作りと言い訳して,化け物を作って街を襲わせたんだな!」

 

 

幸江「言い訳とは失敬ね。 それに精神的な治療を受けていた人達を私の薬で

とっても元気に動き回っているのに,それを化け物と一緒にするなんて

その人達に対して失礼だと思うけどね。」

 

 

その言葉に,片手にクレーンを付けた者や

狂いだした清掃員の事ではないかと春美は思い出した。

 

 

春美「それって・・ 病院や市役所とかで戦っていた人達の事じゃないよね。」

 

 

幸江「それよ! あの人達は相当,楽しく動き回っていたわ。」

 

 

修平「そういう風に見ているのか・・。 俺達にとっては大大迷惑だな」

 

 

幸江「私の話も長くなってきたし,そろそろ終わりにしないとね。」

 

 

修平「最初は良い人と思っていたが今は違う。

アンタがどうこう言おうが,家局は身勝手極まりない事だ。

それに社会的立場の弱い人達にとって希望の溢れた街をこんな風にさせた。

おまけに,せっかく作った良いレポートも台無しにしてくれてよ。」

 

 

幸江「そりゃあ貴方達にとっては許さないでしょうね・・。 まぁそう思われても仕方の無い事よ。」

 

 

修平「仕方の無い事だと・・,怒ったぜ!! (スコップを構える) 」

 

 

春美「こんな事をするなんて許さない・・ 貴方の悪行を私達が止める!! (杖を構える) 」

 

 

幸江「私を倒そうとするのね・・。 なら来なさい。 異のある者は私に対する暴虐。

ここで自分達が間違っていた事をあの世で後悔するといいわ!!」

 

 

幸江は散弾銃を天井に向かって撃った。 幸江は修平達を本気で殺そうとしている…

 

 

修平で戦う  春美で戦う

 

 

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