幸江「ああぁっ・・・。」

 

 

修平達の攻勢により,幸江は倒れ込んだ。

 

 

修平「自分の事しか考えない奴は天罰を喰らうぞ」

 

 

幸江「うるさい! アンタの様な奴がいるから,この世の中は良くならないのよ。」

 

 

春美「まだそんな事を思っているの! さっさとあの化け物をどうにかして!」

 

 

幸江「あぁ・・ 私の手下の殆どはね・・ 暴れる事しか考えていないから,

どうにも出来ないのよ。」

 

 

修平「幸江…」

 

 

修平はスコップを握り締めながら構えていた。

幸江がまた武器を拾い,起き上がろうとしているためだ。

 

 

再び戦いだそうとしたその時・・

 

 

カタカタカタ・・

 

 

横に寝かされたカプセルのガラスが小刻みにしながら揺れだした。

その揺れ音に感じた幸江は修二達に対する強い憎しみに歪んだ表情から一変,

大喜びの表情に変わった。

 

 

幸江「やったわ! 私の蘇生と元気になる薬が効いたみたい!」

 

 

幸江は戦うのを止め,カプセルの方へ近付いた。

中に入っている養子を引き出すためだ。

 

 

幸江「待ってて雄吾! 今開けるからね!!」

 

 

幸江はカプセルの中を開けようと,ガラスの戸を触れようとした瞬間・・

 

 

バリィーーン!! グサッ!!

 

 

修平・春美「・・・!!?

 

 

幸江「えっ・・!?

 

 

突然,カプセルのガラスが割れ,浸された液体から何か鋭い刃の形をしたものが突き出して来た。

それが幸江の腹部を突き刺し,腰から貫き出た。 

その鋭い刃の形したものは片腕の先に付いた5つの鋭い先端を持つ回転刃である。

 

 

ギィーーーーン!!

 

 

幸江「ギエエエェェェーー!!

 

 

その回転刃が幸江の体一部を物凄い勢いで回りながら切り刻まれ,

同時に幸江の吹き出た血が地面や機械に付きついた。

 

 

それを見た修二は口を開きながら愕然し,

春美は余りの悲惨さに両耳を手で塞ぎ,両目も閉じた。

 

 

数十秒立つと,回転刃が止まりだし,幸江の腹部を引き抜いた。 

そして,浸された液体から養子が出てきた。その養子こそ,幸江が言う雄吾である。

 

 

雄吾は吐き血をしながら怯む幸江を右足で強く蹴り飛ばした。

幸江は蹴り飛ばされ,発電機に当たってしまった。

 

 

ビリビリビリビリ・・

 

 

幸江「ギャアアアアーーーー!!

 

 

感電した幸江は発電機の前に落ち,身体がビクビクと震え,やがて動かなくなった。

 

 

修平「 (自業自得とは言え,何という惨い最後だ) 」

 

 

更に雄吾は回転刃を持つ片腕を鉄の扉の方へ向けた。 

するとその片腕が液状化と共に変形しだし,やがてそれが砲の様な形状に変わる。 

砲口から青い電流が流れ出し・・

 

 

ドキューーーーン!!

 

 

砲口から青いビームが撃ち出され,鉄の扉を破壊した。

雄吾は鉄の扉の奥に向かって走って行った。

 

 

春美「私達を無視したみたい・・。」

 

 

修平「こいつはまずいぞ!! 奴はイカれ狂っている。

このまま外に出たら,大変な事になってしまうぜ!!」

 

 

春美「確かにそうね。 急ぎましょ!」

 

 

修平達も鉄の扉の奥の方へ走って行った。

 

 

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