とある地方都市の中層ビルのオフィス。

 

 

オフィスの10階の中を除くと,そこは事務室。

壁には『技術の促進で,適正な利益を持ちつつ,地域の人々に明るい未来を』と

張り紙に大きく掲げている。

 

 

その目立つ張り紙の直ぐ其処にデスクがある。

そのデスクに座っているのは,この会社の人であり,若き部長でもある。

 

 

彼の名は『高男』。 技術系の大学出身であり,入社二年目で一気に部長に昇進している。

どこか凄いところを持っているが,これは仕事の頑張りが良かったらしく,上の者から

会社の発展に期待出来るとしているからである。

 

 

・・しかし,彼は部長としての誇りは持ってはいない。

 

 

何故なら自分の技術を使って色々な物を作りたいからである。

小学校時代からそうであった。

 

 

部長昇進により今はスケージュールに技術以外の仕事が

ほぼ埋まっているため,関わる事が少なくなったためである。

 

 

まさに普通のサラリーマそのものであった。

 

 

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ある日の事だった。

上の者から『とある大学へ訪問して欲しい』と頼まれる高男。

 

 

大学訪問に興味は抱いていなかったが,聞いている内にある想像をし始めた。

 

 

勉強に励んでいる学生に何か教えられたら・・・。

 

 

その依頼を積極的に受けた高男。 今すぐ会社に出て,駐車場に停まってある

自社の車に乗り込み,大学へと向かって行った。

 

 

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〜 大学方面へ向かうパイバス 〜

 

 

車の中にて・・

 

 

物入れから1枚の資料を取り出す。

 

 

内容は『大学でロボットコンテストをやっている』との事。

 

 

その大学の名前はRB技術工芸大学である。

 

 

その資料を再び物入れに押し込み,缶置きに置いてあるガム箱(丸い物)の蓋を開け,

中から緑色のガムを出して,それを口の中へ放り込む。 そのガムはミントの香りがするらしい。

どうやら口臭を気にしている様だ。 昨日は焼肉屋で食べに行ったばかりである。

 

 

大学に着くのを楽しみにしている高男。

 

 

だが,その先に待っていたものは

機械の暴走という恐怖の始まりだというのは

彼自身は気づいてはいなかった。

 

 

THE CYBER ERROR

 

 

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