〜 道路 〜

 

正男の攻撃で、センクウザは弱弱しい鳴き声を放ちながら、静かに地面へと落ちた。

 

 

正男「どういう理由だろうが、お前等は唯では済まされなくなった。

今頃、軍や警察はお前等を捜しているだろう。」

 

 

フレイム団のリーダー(以下、Fリーダー)「中々やるようだな。 

だが、軍や警察が俺達を撲滅しようが、立場は変わらん。」

 

 

そう言うと、地面から物凄い炎が吹き上がり、それがリーダーとその仲間二人を囲んでいく。

十秒位で炎がおさまったが、そこにリーダー達の姿はいなかった。

 

 

正男は地面から吹き上がった炎の熱で顔を手で抑えていた為、近づく事が出来なかった。

 

 

正男「くそっ! 地面から炎だと! 何者なんだっ? アイツ等は!!」

 

 

しばらく、焼き焦げた地面を見つめながら立ち尽くす正男。

 

 

??「正男君!!」

 

 

正男はその声に気づき、振り向いた。 向こうから一人の女性が近づいてきた。

 

 

正男「クリスか・・。」

 

 

その一人の女性こそ、クリス。 

彼女はザトシの同じく、ペットモンのトレーナーである。

 

 

正男「一体、何しにここへ・・?」

 

 

クリス「アタシはね・・。 今日の朝、ペットのピカチーが盗まれたの。

警察に被害届を出したけど、それでも不安だった。

でも、貴方なら頼りになるから色々探し回っていたの・・。」

 

 

正男「盗まれた・・? こりゃあ、気の毒に。

でも、何か分かるものがあったら、何とかしてやるがなぁ・・。」

 

 

クリス「アタシのピカチーの写真があるの・・。 見てくれる」

 

 

そう言うと、クリスのピカチーの写真を正男に見せた。

 

 

正男「おいっ これって・・・。」

 

 

正男が見開いた。 

 

 

そのピカチーは首元に水色のペンダントがかけていたのだ。

 

 

正男は写真を見て思い出した。 

建設現場(STAGE5参照)で、真っ黒に染まったピカチーと戦っていた。

そのピカチーこそ、クリスのピカチーである。

 

 

正男「何てことだ・・。 盗んだ奴が真っ黒に染めて凶暴化させたんだ。」

 

 

クリス「えぇっ! うそっ・・ イヤアアアアア!!!」

 

 

クリスはその事実を知り、泣き崩れた。

 

 

正男「おいおい、落ち着け・・。 俺が何とか戻してやるよ。」

 

 

クリスを慰めている中、一機の軍のヘリが正男の近くへと着陸した。

ヘリの扉が開き、国家自衛軍の兵士の山下が降りてきた。

 

 

山下「やはり怖いもの知らずだな正男。」

 

 

正男「山下か・・、こんな時に着陸するのは止めてくれないか?」

 

 

山下「言いたい事があってな、だから降りてきた。 ( とは言え、これはまずかったなぁ・・。 )」

 

 

正男「じゃあ何だ?」

 

 

山下「ペットモンの暴走の原因はフレイム団と判明した。 

・・・と言いたいところだが、もう会っているよな。」

 

 

正男「リーダーと会ったんだよ。 俺に興味があったみたいだ。

奴等は逃げられちまったぜ。」

 

 

山下「心配するな。 さっき、奴等の居場所を突き止めたばかりなんだ。」

 

 

正男「・・・?」

 

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〜 軍のヘリの中 〜

 

正男と山下、クリスはヘリに乗り込み、操縦士である川祐により、ヘリは街の上空へと飛立った。

これから、フレイム団のアジトへ向かうところである。

何故かクリスが乗っていると、山下から指摘されていたが、正男は”意外と強い”からと説明し、山下を納得させる。

正男は操縦士である川祐とお互いに挨拶と自己紹介をかました後、山下に居場所についての話を聞いてみた。

 

 

山下「さてと、拠点の話だが、実は不可解な電波がこっちからキャッチしてな、

その電波の発信場所を調べてみたところ、奴のアジトだったって事だ。

最近、警察から取締りを行おうとしたばかりとはいえ、まさか、ここまでやるとは・・。」

 

 

正男「その電波は何の目的で流しているんだ。」

 

 

山下「それは分からんな・・、しかし、向こうで何かが分かるかもしれない。」

 

 

川祐「おいお前等ー! キチガイ野郎共の家が近づいてきたぜ。」

 

 

正男「どれどれ・・、おぉ・・、これが」

 

 

クリス「あれが、アジトね・・。」

 

 

窓の外を眺めた正男達。 その先にはフレイム団のアジトがあった。

 

 

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