ストーリー

~ 地下放水路 ~

勝利の束の間に奈落に突き落とされた状況になった少年。
持っていた手持ちのライトで前方を照らしながら歩む。
時より、敵の足音や天井から落ちる水滴の音に心臓がビクつく事もあった。

だが立ち止まっても状況が好転する訳が無い。 
とにかく自ら持つ戦闘能力と根気、勘で先へ先へ進んでいく。

どうにか暗闇の中で最後を遂げる事は避けられそうだ。
壁に記された点検作業者向けの標識が行先を示していたからだ。
そのお陰で少年は外の世界へ続く梯子を見つけ、それを掴み昇っていく。


~ 下水処理場 ~

梯子を上り切った少年。 
だが、外は薄暗いままで不穏な空気が漂う。
少年は周囲を見渡す前に、鼻に刺激を与えるような匂いがした。

臭いの元は近くに縦横に並べられた四角いプールのような水槽だ。
他にパイプや汚泥処理施設と書かれた看板がある事から、
少年は此処が下水処理場である事を認識する。

普段は入れないようなところに居る少年にとっては
非日常な空間を与えられているようなものだ。

だが、下水処理場見学をしている暇がない。
とにかく此処から離れなければならない。 目的の為にだ。


ドン!


ふと、重々しい足音と不気味な響きが少年の身体に伝わった。


ドン! ドン! ドン!


それが何度も起き、より大きくなる。

少年は太いパイプに隠れ、正体を探った。
少し離れた建物の陰から青々しい謎の巨人が口から荒々しい息を立てながら
処理場内を歩き回っていた。 
巨人といっても大人の身長より3~4倍であるが…
しかも両手には電極棒を持っており、夫々が触れることでバチバチと蒼白い火花を放っている。

やれやれ、砲の付いた青いドラゴンに続き厄介な代物が現れたものだ。
どうにか施設の中の進むという手立てをして先回りをしなければならない。

面倒ごとを避ける為にも…