「ついに見つけたぞ!」
警官隊の言葉通り、発電所の操縦室に辿り着く。
そこには化け物が機械を操作しており、施設の職員と思われる遺体が床に横たわっていた。
「惨たらしい事を…、無念を晴らすぞ」
電力奪還の最終段階、化け物達を始末は数分で終わらせた。
「発電所が無傷なのに停電が起きているのはこの為だったのか…?
何だ、モニターを見ると北部の山に電気が送電しているではないか?」
市内全体の電力網を把握するモニターを見ると、市北部の山間部で膨大な電力が送電していたのだ。
「まさか化け物に知性があるとは…。
とは言うけど何故、俺でも理解できない無駄な真似をやらかすんだ?
まぁいい、俺たちにとってはどうでもいいか…。 少年、街に電力を戻すから指示通りに手伝ってくれ」
心残りのある謎が出て来たものの、考えるまでもなく街の電力回復に優先した。
「電力は街に流れたぞ! やったぞ、少年。 ついにやったんだ!」
彼らの奮闘が実ったインフラの回復。 警官隊は喜び、少年の顔にも微笑みが見られる。
だがその安らぎの瞬間を一気に引き裂こうとしていた。
ドゴォーーーン!!
突如、天井が壊れ、上から巨大な銃を持った男が落ちて来た。
着地したのも束の間、男は銃を少年に向けた。
銃口から青い閃光がバチバチと発光する。
「あっ! 危ないっ!!」
銃口から青い光弾が高速で放たれる。
警官隊は気づいたものの避けるのに間に合わなかった少年を突き飛ばす。
「ぐあああっ!!」
少年を庇った警官隊は青い光弾に撃たれてしまい、胴体が瞬時に焼かれ真っ二つに割れる。
警官隊の上半身は地面に落ちた。
この悲劇に少年は号哭した。
少年は致命傷を負わせた男に赤い光線を指から発砲、前よりも太く威力は絶大だ。
銃を持った男に数発命中。
少年の怒りの反抗に銃を持った男は危機を感じたのか操縦室から退散する。
少年は心を震わせながら警官隊に足早で近づく。
何とかしようとしたかったが…
「…あぁ良かった、君は…、無事で…。
でも、いいさ…、これも…大人として、警官としての…、役目。
そして、どうする事も出来なった俺たちを助けてくれた御礼だ…」
血を吐きながら少年に例を言うと警官隊は事切れた。
命を救ってくれた警官隊を看取った少年はすぐさま、亡き者にした銃の男を追う。
追い続けて数分、足場の悪い何層にも重ねた作業通路であの男を見つける。
男は少年を見ると、銃口を向ける。
それに対し少年は恐れず、スコップを握り男と対峙する。