ストーリー


井戸の底から開かれた洞窟を進む少年。 
所々に天井の裂け目から地下水が溢れ滝となって流れ出す。

これまた幻想的なスポットだ。
この一件が終わったらレポートでも書いておこうか…。
切迫した空気でもこのような事を思いつくものだ。

更に奥へ進むと、巨大な滝が流れる広々とした空洞着く。
目の前にあるのは地面にばっさりと切り裂かれたような崖。
崖の向こうにはその先へ続く道がある。
向こうへ飛び越えられそうにもない程、間は広がっている。

幸い場の雰囲気にはそぐわない細い鉄橋がある。
何故か寸断されているが、自分の飛躍力なら十分だ。


「はぁ…、意外と生き永らえていたのね」


向かい側に幸江が待ち構えるかのように立っていた。


「今頃あんな数じゃ太刀打ちは出来ないと思ったけど…、あんた余程タフなのね。
あそこで門番を出しておくべきったわね…」


突如、天井が崩れた。
そこから仮面を被った青い鬼が棍棒を持って降って来た。
崖端に着地した鬼。 少年に視線を向けると、棍棒を強く握り闘志を奮わせる。


「ここを絶対に通らせない。 やってお終い!」

「グオオオオオオッ!!」


そう告げると奥へ去って行く幸江。
少年は幸江を追う為、巨大な滝の前で鬼と対峙するのである。