「あぁ…、ついに私までこのような目に…。 これも切ることが出来ない運命なのね」


ショットガンの容赦ない追撃、激戦に加勢する雑魚敵…。
味方のいない耳が劈く程の激戦がフロア内で繰り広げる。
行動を見極めた末に何とか幸江に打ち勝った。

幸江は傷だらけになり、床に平伏した。 この後、彼女のをどうするべきか…?
殺すべきか、後に来る警察や軍に引き渡すべきか…。
次取るべき行動がどれなのか迷い出す。 


ビーー


何処からかブザー音が鳴り響く。
発生源は薬品で浸されたガラスケースの装置だ。
戦っている最中に自分や敵の方も熾烈な争いで損傷を起こしてしまっている。

「あぁ…、ついに目覚めるのね!」

ブザー音に気づき、幸江は少年をそっちのけにし、ガラスケースの装置に我が物顔で飛び掛かる。

「お待ちください…、この私が起こしますので…」

幸江はケースを開けようと手に掛けた。 

…が


バリイィーーン!! 

グサアァッ!!


「がはぁっ!」


突如、スクリュー型の回転刃が付いた腕が中からガラスを突き破り幸江の腹部を貫いた。
幸江の腰には回転刃が突出。


ウィーーーーン!! ブシャアアアアア!!


がばばばばばっ!!


そのまま回転刃が高速回転。
刃の回転で身体が抉られ、血飛沫が周囲を撒き散らす。
口から大量の血を吐き散らし、眼球が飛び出そうな顔をしながら即死した。
回転刃の腕は幸江の遺体を投げ飛ばし、近くの機械に直撃させた。

中の人物は暴れ出し、その衝撃でガラスケースが破壊。
薬品が流れる中、その人物は装置の上でゆっくりと立ち上がる。

容姿は見るに男性、眼光が赤く白い肌に紫色に染まった筋肉繊維、下は灰色のジーンズ。
これが幸江が言う世の中を変える人物の姿だというが、どうしても見るだけで不安が過ぎる。



ウオオオオオォォォォォォーーーッ!!


理性が備わっていないのか、男はなりふり構わず大声を上げた。
その声の衝撃は近くに立っていた少年の耳の奥にも響く程。

男は片腕の回転刃を見た瞬間、全ての刃が前面に突き差すように変形、軸を中心に青い光が発光し、刃の根本から電気が流れた。

ビイイィーーッという強烈な電波音と共に青色のビームが回転刃の中心から放出。
男はビームが流れたまま腕を振り回す。
ビームに直撃した装置や壁、天井が爆発、火災が起きた。
男が撒き散らすビームによってフロアは惨憺たる光景になった。


少年は不安を察知し、床に伏せた事で何とか避ける事が出来た。

男はビームで溶けたもう一人の扉に向かい、フロアから出て行った。

それを目撃した少年。

一瞬で周囲を惨劇にする男を外へ出してしまったら…。

あのような凶悪な男に勝てる見込みがあるのか…? いやっ もう考えている場合じゃない。

少年は立ち上がり、フロアから抜け出し男の後を追って行く。
鶴来山市に寛大な被害を及ぼさない為にも…


 

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