〜 広場 〜

 

飛び回る悪魔型の狂人は、自身の武器であるロケットランチャーを

正男に狙いを掛けて何発も撃ち出した。

 

何発の砲弾が地面に着弾し、爆発が起きた。

正男は、その爆風を避けながら、広場も周りを疾走した。

奴の反撃の機会を伺えながら・・。

 

丁度、爆風で飛び散ったテントの支柱に使われる鉄パイプが正男の前に落ちた。

正男はそのパイプを拾い、狂人の方へ振り向け、投げる体勢に入った瞬間、狂人に向けて投げた。

 

 

グサッ!!

 

 

狂人「ぐええっ!!」

 

 

狂人の胸部に鉄パイプの先端が突き刺さる。 その激痛に襲われた狂人は怒り狂い、

羽根を広げ、物凄い速度を上げながら正男の方へ降下、

自身の足の爪で正男の衣服の背中部を引っ掛けた。

 

 

正男「うぉっ! この野郎!!」

 

 

正男は必死に振り解こうとしたが、彼の衣服が丈夫だったのか、簡単に破れなかった。

そのまま狂人に高度100mのとこまで上昇させられる。

 

 

狂人「ケヘヘッww クソはクソらしく死になっ!!」

 

 

狂人は正男を上空から地面へ落とそうと、この行動に乗り出したのである。

だが、ここで正男はある機転を利かせる事になる。

 

 

正男は鉄棒の逆上がりの如く、身体を後方に回り、自身の足で突き刺さった鉄パイプを蹴る。

鉄パイプを勢いよく蹴った衝撃で、狂人の体内に突き刺さったパイプが響く。

 

 

正男は再び鉄パイプを蹴り続けた。 ついに狂人は痛みに耐え切れず、正男を放してしまった。

 

 

地面へと落下している間は正男は正面の身体を上空にいる狂人に振り向き、

広げた両手を少し前に出した。

 

 

正男「フレイサンダー!!!

 

 

炎を纏った雷が彼の両手から飛び出し、それが狂人に当たった。

 

 

狂人「ギャアアアアアアッ!!!!」

 

 

ヒューー  ドォーーン!!

 

 

正男の技に当たった狂人は感電と共に燃え盛る炎に包まれ、そのまま地面に落下、

地面に激突した衝撃で、爆発を起こしたのである。

 

 

正男「ふぅ〜、倒したぜ・・・。」

 

 

正男は自分の袖で額を拭いた。 だが、この時、彼もまだ落下中であった。

 

 

ドォーーーン!!

 

 

そのまま5段積まれたダンボールの箱の上に落ちた。

そのお陰で、幸いにも無傷で済んだが、その箱の中身は売り出しに使われる大量のトマトだった。

潰れて出たトマトの汁が正男の衣服に染み付いてしまったのである。

 

 

正男「あぁくそっ! 湖のところに落ちればよかった!!」

 

 

衣服が汚れた事に苦い表情をする正男。

 

 

??「ギャハハハハ!! 無様な格好だなぁぁ!!」

 

 

何処からか男の大きな笑い声が正男の耳に響きだす。

 

 

正男「・・・この声は?」

 

 

さっきまで衣服の汚れを気にしていたが、直ぐに気持ちを切り替えた。

 

 

??「二体の狂人兵器を素手とお得意の技で打倒すとは・・ 流石だぜww。」

 

 

正男「貴様、ショッピングセンターの倉庫で話しかけた奴か・・。 とっとと、姿を現せ!!」

 

 

??「分かったよww 今から姿を現すわww。」

 

 

広場の外の茂みから男が姿を現した。 

 

 

緑色の軍服を着用、両方の肩部には大きめの銃が付き、

片手には巨大なカッターナイフ、顔にはマスクとゴーグルで素顔が確認出来ない。

 

 

その不審な姿にまさに敵であるに相応しい格好だ。

 

 

??「お前が交差点で部下を撃退するところから、ここであの狂人と戦うまで、

俺はお前を監視し続けていたのだ。」

 

 

正男「まさにストーカーって奴だな。 敵の偵察係か?」

 

 

??「俺が下っ端のように見えるか? 俺はこの現場のリーダーなんだよ!!

 

 

正男「・・・!!?」

 

 

??「それに赤帽子さんよ〜ww。 確か、正男だったか・・。

駆除業者でありながら、超人の力を持っている。 その力で、

超凶暴なペットモンやモンスターに、異世界から来たクソ逝かれた連中をも打倒した。

まさにテレビで話題を出す程にもあるよなww。

 

 

・・・しかしだ。 正男というネーミングセンスが下らない程、生かしてねぇww。」

 

 

正男「余計なお世話だな・・。  言いたい事があるんだが、何故、こんな事をやり出す?」

 

 

??「俺達がこの街で何故暴れまわるかってか・・? んなもん、理由は簡単。

 

 

”何となく”  

 

 

てとこだww。」

 

 

正男「”何となく”でこんな事するだと・・。

 

貴様!! 街の人々を何だと思って・・

 

 

??「黙れやカスがぁっ!! 

貴様らのような偽善っぷりや平和ボケとか

正義面に言われたくねぇんだよww。 あ〜あ、

やはり、その面を見たら、反吐が出てしまったぜww。

 

 

その男の冷酷な言い振りに、正男の怒りが一気の頂点へと上がる。

 

 

正男「てめぇ! 俺を怒らせたな!!

 

 

怒りの表情になった正男は、片手を強く握り締めた直後、物凄い走りでレックスに殴りかかる。

レックスは持っていた飲料水入りの瓶を口に付けて飲みながら、ライターを取り出した。

それを正男に向けて、口から飲料水を吐いたと共にライターに火をつける。

 

 

ボゥッ!!

 

 

ライターの火にかかった飲料水が燃え出した。

 

 

正男「うおっ!!」

 

 

燃え出した炎に、殴りかかろうとした正男はそれに驚き、自分の足に止めた。

しかし、その弾みで、彼の身体が後ろへと転んでしまい、彼の後頭部に頭を打った。

 

 

正男「ぐわあっ!!」

 

 

??「ギャハハハハww 言いザマだぜ。」

 

 

正男「貴様、どうやって口から炎を・・・?」

 

 

??「ん・・? 簡単だ、この瓶の中に入っているやつはガソリンなんだよww。

そろそろお前が気絶する前に言っておこう。 俺の名はレックス・ウィリアムだww。 覚えておけよww」

 

 

正男「いかれてやがるぜ・・。」

 

 

正男は地面に倒れた状態で気絶した。

レックスと名乗る男は笑いながら、広場から立ち去って行った。

 

 

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〜 警察署内 〜

 

正男「・・・・・。(起き上がる) ・・・ここは何処だ?」

 

 

気絶から覚めた正男は、辺りを見回すと、ロビーの様な場所。 即ち、ここは建物の中である。

部屋の壁に警察の紋章が飾られているのを見ると、彼はここは何処だか思い出した。

ここは警察署である・・。 しかし、誰が彼をここへ運び入れたのだろうか・・?

 

 

・・と、そこへ治安部隊のリーダーがやって来る。

 

 

治安部隊のリーダー「お目覚めみたいだな。 ここは警察署だぜ・・」

 

 

正男「まぁその通りだな・・、何故は俺はここに?」

 

 

治安部隊のリーダー「俺の部下達が広場で君を倒れているところを見つけたんだ。

だから、ここへ運んだのだ。」

 

 

正男「ふつうは病院だがな・・。」

 

 

一言を行った後、直ぐにベンチから立ち上がる。

 

 

正男「これで全快だ。 次の現場へ行ってくる」

 

 

正男は警察署を出て、直ぐ鉱山へ向かって行った。

 

 

治安部隊のリーダー「桁違いの生命力だな・・。 俺も負けてられないな。」

 

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