~ 遺跡の入り口付近 ~
此処,乾燥帯と呼ばれるこの地域は草や樹木などの植物が恵まれない枯れた大地となっている。
地面は砂漠の様にサラサラした砂で覆われ,強風が訪れる際には凄まじい風塵が空を舞う。
大地の前に聳える山々は茶色の岩で出来ている。
山々には切り立った崖があちらこちらに目立っている。
その一つの崖の下に,人の手で作られたと思われる建造物の入り口が建てられていた。
岩で積み重ねたその入り口が,観光地の一つ,遺跡である。
観光地の指定を受けているが,遺跡内部の調査が今も続いている為,着工の目途が立たず,
現状は立ち入り禁止で,入り口付近しか見れない状態となっている。
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~ 遺跡の入り口付近 ~
一台のパトカーが大地の上を駆け巡る。
砂漠に近い地質である為,パトカーのタイヤには特殊なオフロードタイヤに取り換えている。
そのパトカーが遺跡の入り口前まで辿ると,そこで止まった。
二人の警察官が車外から降り,枯れた大地に立つと,直ぐに顔を遺跡の方へ向ける。
五十朗「ここか? 奴等が占拠した遺跡っていうのは…」
由美「ウエモトさんが言うにはここやってとこだ。 昔は何かお宝を保管していたって言われてるんよ」
五十朗「そうか,だが俺達はトレジャーハンターじゃない。 遺跡の奪還だ」
この遺跡は考古学者が調査に訪れる筈であった。 しかし,今回の暴動で変わった。
奴等,ZECTはこの遺跡を我が物と言わんばかりに占拠されてしまったのだ。
手を打たずに放っておけば当然,財産の盗難や破壊が行われ遺産に危機が晒されてしまう恐れがある。
五十朗が遺跡奪還作戦を宣言すると,遺跡の内部へ突入した。 たった二人だけで…
だが,その様子を見ている者がいた。
近くの巨大な岩の後ろに黒いワゴンが止まっていた。
どうやら,この車は二人の後を追っていた様だ。
??「サツ共め,今から遺跡の封印を解かしてやる」
ワゴンの車内には茶色のコートを着た如何にも怪しいサングラスの男が
ノートパソコンである操作をしていた。 それは遺跡内部にいる部下や兵器に指示を打ち出している。
??「よし,ZECTの殺戮兵器があの封印を解かせた。
遺跡にいる世にも恐ろしい怪物が大勢目覚める事になるが,
黒服の男が作り出した兵器ならそいつ等を操れる。 これで俺達の手元になった」
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~ 遺跡内部 ~
暗い通路の中を帽子に供えられた懐中電灯で照らしながら歩き続ける二人。
由美「おい五十朗。 世にも世にも恐ろしい化けモンが一杯眠っている事を知っているか?」
五十朗「はっ? 心霊スポットじゃあるまいし」
由美「一部の学者によると,遺跡を守るという事でその化けモンが作り出したという説が出てるんよ」
五十朗「へぇそうか。 でも,それは仮設に過ぎないだろ?」
そう軽く言い返した直後,その先の地面に下から持ち上がるかの様に膨らみ始める。
五十朗「おわっ! 何だ」
五十朗は明りを膨らんだ地面に照らした,すると地面の砂が噴水の様に吹き出すと,
そこからミイラが現れた。 これが遺跡を守る為に作られた世にも恐ろしい化け物の正体である。
二人とミイラがお互い視線に合った時,先にミイラが襲いかかる。
五十朗は剣で襲いかかって来たミイラを斬り,胴体を真っ二つにさせた。
五十朗「あっという間に結論が導いてしまったな」
由美「五十朗! それで終わっとらんで」
由美が前方へ指刺した,五十朗は由美の言う通りに前方を向くと,
多数のミイラが呻き声を上げながら此方へ近づいてくる。
五十朗「ここの街は,よくどえらい所に観光地にしたもんだな」
由美「あぁ,今回の一件でこの観光地は別の意味で有名になるけんよ」