武装ミイラ「モウ許サアアアァァァーーン!!」
そう言いながら,ガドリングを天井に向けて撃ちまくりながら吠えた。
その隙を見た五十朗は剣を持った腕を天に上げた。
すると,バチバチと音をしながら電気が発し,刃の周りに纏うようになる。
それがやがて,発する電気の量が多くなってきた。
そして・・・
五十朗「スパークバースト!!!」
武装ミイラに向けて,剣を大きく振った。
バーーーーン!!
すると,武装ミイラの頭上から巨大な雷が飛来した。
武装ミイラは上を見上げたが,時既に遅し,そのまま巨大な雷に直撃した。
威力が凄かったのか,砂埃が津波にように立ちこもってしまった。
五十朗「やったか・・・?」
砂埃が消えた後,そこに武装ミイラが焦げた姿になって倒れていた。
五十朗は敵が動かないか近くで確認するため,銃を構えながら近づいた。
五十朗は片足で焦げた武装ミイラが小蹴りをした。 どうやら動かなかったようだ。
五十朗「ふっ 俺の技が効いたみたいだな。」
武装ミイラ「クソ・・・ガ・・・・。」
動かなかった武装ミイラが口を動かし始めたのだ!!
五十朗「うぉっ! 脅かすな!」
武装ミイラ「コレデ終ワッタト思ウナヨ・・
俺ヲ貴様等ニ暗殺命令ヲ下シタアノ方ニ殺サレルダロウナww」
そう呟くと,頭部はボン!と灰色の煙が噴出し,完全に機能停止した。
五十朗「・・どういう事だ?」
由美「五十朗,そろそろ出よう。」
五十朗「あぁそうだな。 ここはもう用は無いからな。」
敵を全滅した警察官二人は遺跡の入り口に向かって歩いて行った。
因みに宝の場所は石板の下にある隠し階段で,そこを下れば,
金塊 (凡そ5トン) が見つかる。 ただし石板を破壊するには,書かれている文字を読まなければならず,
それを読めば数時間後で自動的に破壊される。 だが,石板に書かれている文字を読めば,
ミイラ等の怪物が復活する仕組みにもなっている。
まさに財宝を守るための古代のセキリティみたいな遺跡とも言えよう。
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〜 遺跡の入り口 〜
由美「はぁ〜,宝はどこやろうなぁ〜♪ 見たかったわ!」
五十朗「んな事をしている暇はあるか?」
???「遺跡の戦いはどうだった?」
五十朗「むっ・・ お前は?」
フジヤマ(???)「俺だよ。 フジヤマ。 ちゃんと覚えてほしいものだ。」
五十朗「済まないな・・。」
由美「また口の悪い事を言うー。」
フジヤマ「そういやっ 君達は遺跡であの集団と戦っていたんだろ?」
五十朗「何で知っている?」
フジヤマ「そりゃあっ 役所から教えてくれたよ。 だからこの黒いワゴンを乗って来たんだ。
君達は無事だったかどうか確かめるためにね。」
五十朗「まっ 見れば分かるだろ? 遺跡で色々あったが,どうって事ないさ。」
フジヤマ「やはりミイラとか大サソリなんて,君達が見たらへな猪口もんですよね。
では,無事だったみたいで失礼します。」
そう言い終えると,フジヤマは黒いワゴンに乗り込み,
五十朗達のいる場所から何処かへ走って行った。
由美「アイツってさぁ,何か変やけん。
お役所さんなのに,アタシらのとこに後からついて来たんやろ・・。
他にやるべき事が一杯あるべきだよ。」
五十朗「言われてみればそうだな・・。 今は暴動真っ最中だ。
フジヤマは役所の公務員だから,街の安全を優先するべきだ・・。」
五十朗は心の中でフジヤマの言動に不審な点を見つけていた。
『やはりミイラとか大サソリなんて,君達が見たらへな猪口もんですよね。』
今のはなんだ? 遺跡の中の怪物を丸分かりしている・・。
役所の人にしては知り過ぎているじゃないか・・。
由美「アタシらも公務員だけどね。」
五十朗「こんな殺風景なところで会話するのはそろそろ止めにしよう。
まだ暴動が起きている場所が二つあるからな。」
フジヤマの不審を覚えた五十朗だが,暴動を抑える事を優先した。
五十朗が言い終えた後,二人はパトカーに乗り込み,遺跡を後にした。
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〜 黒いワゴンの中 〜
荒地の上で回転するタイヤから出る砂埃を撒き散らしながら走る黒いワゴンの中で,
フジヤマがハンドルを強く握りながらこう言い出した。
フジヤマ「怪物共を遺跡の外へ出して,この地区を恐怖に包み込ませようとしたが,
アイツ等のせいで台無しだ。」
フジヤマは助手席の上に置いてあった黒いアタッシュケースを開けた。
中身はノートパソコンに茶色の帽子とコート,そして・・
”マシンガン”が入っていた。
フジヤマ「 アレに成りすまして,暗殺してやろう・・。 」