ストーリー

 

~ キャンプ場 ~

 

正男「ふぅ~,とんだ時間潰しだった。」

 

 

正男は両手で服に付いた汚れを払いながら,そのまま桟橋の先へ歩いていった。

桟橋の横の水面上では武装ザリガニが黒く焦げて,腹のところに拳で穴を開き,

残骸となって浮いていた。 正男に瞬殺された事も過言ではない。

 

 

~ 防波堤沿い ~

 

正男「ひどい・・,これがリゾート都市なのか?」

 

 

防波堤沿いまで辿り着いた正男。 街の現状を見渡すと直ぐに驚愕した。

街のビルの窓が割れ,ビルの下では火災で幾つかの煙が立っていた。

観光客の賑わいから一転,武装集団による暴動の宴となっていた。

 

 

正男「調子に乗りやがって!!」

 

 

正男は地面に転がって空き缶を力強く蹴り出した。

蹴り飛ばされた空き缶は木に当たり,見事 下のゴミ箱に入れた。

 

 

その様子を見た誰かが”上手いぞ”と言わんばかりに手を叩いていた。

 

 

それに気づいた正男は顔を振り向くと,そこに軍人が立っていた。

その軍人は国家自衛軍であったが,正男にとっては見覚えのある顔だった。

 

 

正男「お前は・・・ どっかで会ったな。」

 

 

軍人「おいおい,俺の名前ぐらい忘れたら,俺の存在が気薄になっちまうぜ。」

 

 

正男「この性格は・・・,あぁ思い出した。 アンタは川祐か?」

 

 

川祐(軍人)「ようやく気づいたかww! 取り合えず,エメラルドシティへようこそと言っておこうか?

ただ,今の状況じゃリゾートどころじゃ無いだろうなww」

 

 

正男「笑っている暇なんて無いだろ・・。 ところで,川祐はこの暴動に駆けつけに来たのか?」

 

 

川祐「当たり前じゃないか? 何せ,俺が勤めているとこはこの街の近くだからな・・。

俺が訓練の一環で,エアガンで撃ち合いっこをしていたが,突然,街から爆発音が響いてな・・。

その後は出動となった訳だ。」

 

 

正男「( エアガンなんぞ・・,余程暇なんだな,お前等は・・ ) 」

 

 

川祐「そして,俺は奴等の戦いに合わせて,武器の選定をしていたが,

ちょっと時間が掛かっちまってさ,それで俺一人だけ後から来たんだ。

それで偶然にも,正男と出会ったわけだ。 こりゃあ,偶然ってとこだ。」

 

 

正男「( そういや,この街のとこに基地があったな・・,川祐はそこで勤務しているのか。 )

成る程,二度と会う事ない顔だと思っていたがな・・・。 こっちは観光でここに来ただけだ。

まさか・・・,奴等がここで暴動を起こすなど思ってなかったぜ。」

 

 

川祐「アンタは奴等と戦うんだろ? 丁度いいぜ,俺が街を案内してやるよ。」

 

 

正男「言われてみれば,地図や資料とか見なくて済むし,一緒に戦った方が有利だろうな。

よしっ 二人で街へ向かうぞ。」

 

 

正男は川祐と合流し,防波堤を沿いながら,街に向かって走って行った。

 

 

だが,その様子を見ている者がいた。

 

 

正男と川祐が会話していた場所から離れた灯台の上で,

緑色の軍服と暗視ゴーグル,ガスマスクを装備をした男が

双眼鏡で彼らの様子を監視していた。

 

 

??「意外だなww でも,そう簡単にいくとは思うなよww!!」