ニュータウン暴動事件やサウスレシア暴動事件から数ヶ月・・・

 

 

あの忌々しい事件から数ヶ月,犯罪組織ZECTによる活動は減少の一途を辿っている。

これらの要因は組織の規模の減少や解散,分裂など様々な憶測が広まっていた。

 

 

噂が漂っていたが,日々が立つにつれ,あの組織の事は徐々に薄れていった。

 

 

・・しかし

 

 

 

RED ZONE 

 

 


 

 

〜 謎の異空間 〜

 

正男達が住む大陸のある世界とは違う別世界。

辺り一面,乾燥した大地であり,空は黒々しい紫色で覆われている。

まさに闇の世界そのものである。

 

 

何もない大地の向こうに巨大な無機質な鉄の建造物があり,

その付近では軍事用のジープやヘリコプター,戦車が留置している。

そこで警備にあたっている者達が銃を持ちながら歩き回っていた。

 

 

 

〜 建造物の内部 〜

 

内部を見ると人造人間や生物,武器等を製造する研究室があった。

部屋の壁や機械にZECTのマークが付けられていた。

この建造物はまさしく,ZECTの基地だという事が分かる。

 

 

〜 建造物の内部・会議室 〜

 

会議に使われる部屋で,一人の男がイスに座り,

通信機を使って誰かと話をしていた。

 

 

???A「そっちの準備は出来ているか?」

 

 

通信機からの声「あぁ,こっちはいつでも出来るぜ。

あんたの持ち敵もこっちへ送るつもりなんだろ?」

 

 

???A「あぁそうだな。 俺の部下や兵器を必ず送る。 予定では空と海からだ。」

 

 

通信機からの声「これなら暇そうにしている治安の連中が真っ青だぜ。

早くしてくれ,こっちは待ちきれなくてたまんなくてさぁ・・」

 

 

???A「まぁ落ち着け・・,あと5秒の事だ。」

 

 

〜 転送場 〜

 

ここは兵器や兵士等を輸送する車両を他の世界へ送り込む場所である。

 

 

ビー ビー ビー

 

 

突如,警報が鳴り響いた。 鳴り出したのはこの部屋だけでなく,基地全体に広がっている。

鳴り響く中,兵士や生物兵器が一斉にこの部屋へと集まった。

 

 

5秒後,両手にガドリング銃を装備した分厚い体格をした鉄の怪人が

兵士や生物兵器に輸送する車両を乗り込む様,指示した。

 

 

そして,兵士や生物兵器は彼の指示で転送車両に乗り込んで行った。

 

 

???B「おうおう,結構騒がしいな。」

 

 

上から幹部と思われる者が転送車両に乗り込む様子を眺めていた。

見つめつつ持っていたタバコを吸い始める。

 

 

???B「ついに始まったもんだな。」

 

 

転送車両が全ての兵士や生物兵器が乗り込むと,動き出し,転送地点まで移動する。

全ての車両がその地点に到達したのを???Bが確認すると,

彼は転送装置を操作を行い,レバーを引いた。

 

 

すると,全ての転送車両が消えた。 これで,あの世界へ送り出したのである。

 

 

 


 

 

〜 エメラルドシティ 〜

 

場面が変わってここはエメラルドシティと呼ばれる観光都市。

青く輝く海が南に広がり,街全体が賑やかになっていた。

 

 

だが奴らがやって来た時,楽しみに満ち溢れた街が悲劇と化する。

 

 

50台程の転送車両が海から這い上がって来たのである。

海岸のとこまで来ると,前方の扉が開き,中から大勢の兵士や生物兵器が出てきた。

 

 

上向けて銃を撃ち出したり,爆弾を物に向けて放り投げたり,暴れ放題を尽くしていった。

これに驚いた観光客は海岸から慌てて逃げて行った。

 

 

さらに上空では兵士や武装兵器,生物兵器がパラシュートで降下して来たのだ。

一部の兵士や銃でビルの窓を撃ち割らすなど,まさに狂気さが満ちている。

 

 

彼等が来た時,ついにこの街で暴動や破壊活動を始まったのである。

現れた時から暴動が始まるまでの時間は僅か10分の事であった。

 

 

 

〜 エメラルドシティから少し離れたとこ 〜

 

小刻みに波打つ浜辺に一人の若い男性が口笛を鳴らしながら歩いていた。

 

 

彼の名は正男。 ニュータウンの暴動や

フレイム団によるペットモン達の暴走を食い止めた人物である。

 

 

彼は気休めにここへ訪れて来た。 弟の浩二は風邪により家で休んでいる。

最初はバスで街に向かう筈だったが,海の空気を吸いたくなったため,途中で降りた。

 

 

正男「今日は最高の気分だぜ。」

 

 

そう呟きながら歩いていた正男。 

そんな中,数十台の武装ジープが海岸沿いの道路を走っていく。

 

 

正男「・・・?」

 

 

それに気づいた正男は顔をジープの方へ振り向いた。

 

 

正男「おい・・ これはまさか!!」

 

 

そのジープにある赤い文字が付けられていた。 

 

 

ZECTと・・。

 

 

正男の近くを走り去ろうとした数十台のジープであったが,

後方の3台のジープが突然止まりだした。 そして3台のジープは道路から浜辺に入りだした。

 

 

ジープの運転手「いたぞーー!! 奴を殺せぇぇ!!」

 

 

ババババババ!!

 

 

ジープの天井から兵士が出てきて,

天井に付けられていた機関銃で正男に向けて撃ち出す。

 

 

正男「うぉっ! やる気か!!」

 

 

正男は応戦し,フレイサンダーの技を使い3台のジープを仕留めた。

彼の技を受けたジープは横転し,その1台は爆発により炎上しながら吹っ飛んだ。

 

 

正男「またあいつ等か・・。」

 

 

ドドォーーーン!!

 

 

向こうの街から爆発音が鳴り響いた。

この時,正男はニュータウン暴動事件の事を思い出した。

 

 

正男「くそっ 俺の最高の気分が!!」

 

 

街の危機を感じた正男は,エメラルドシティへ向かって行った。

彼はまたしてもZECTとの戦いが始まったのである。

  

 

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