〜 豪華客船の上 〜

 

ヘイック「・・・やはりお前はサツより強い。」

 

 

正男「どんな奴でも戦ってきたからな。」

 

 

戦いの真っ最中にヘイックの通信機が鳴り出した。

それに気づいたヘイックは一瞬で後退し、通信機を取り出した。

 

 

誰かの会話を終えると、通信機を切った。

 

 

ヘイック「・・・このまま行くと負けたのも当然。 俺は撤退する事にしよう。」

 

 

そう言うと、戦いを途中で切り出し、船の先端の杭に付いていた太いロープに向けて飛んだ。

そのロープは港にある杭に向けて繋いであった。 (恐らく、暴風による船の流れの防止の為と思われる。)

 

 

それをロープの上に着地、サーフィンのような体勢で港へと滑り降りて行った。

 

 

正男「おっ 逃がすか!!」

 

 

二人も彼を追う為、ロープのとこまで走る。

そして、クリスをお姫様抱っこをして、そのままロープの上に乗り、

豪華客船からサーフィンのように港へ滑り降りた。

 

 

そしてロープから降り、クリスを降ろした後、直ぐに走った。

 

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 

 

〜 海岸沿いの道路 〜

 

正男「あそこにヘイックが立っているな!」

 

 

25m先にヘイックが立っており、彼はどうやら正男達が来るのを待っているようだ。

ある程度、正男達との距離が縮まると、ヘイックは直ぐに北の方向へ走っていた。

 

 

正男達が走りながら、建物の角に曲がり、北の方向へと走る。

 

 

 

 

 

 

・・・・が

 

 

 

 

 

 

正男「・・・なんだと!!」

 

 

 

 

二人が北の方向へ曲がった瞬間、急に足が止まる。

 

 

 

 

 

 

二人の先には10台の戦車と

約100体の兵士と生物兵器が立っていた。

 

 

 

 

 

敵群の間からヘイックが出てきた。

 

 

ヘイック「驚いたかww お前を誘き寄せる為に逃げたのさ。」

 

 

正男「そんな奴等なんか、技でお見舞いしてやるよ!」

 

 

ヘイック「この大群でお前を迎え撃つ事は出来るが・・・

 

 

 

 

 

 

その前にリーダーがお前に合いたがっている。

 

 

正男「・・・?」

 

 

 

 

その後、ヘイックを含む敵の大群の間が開き出した。 

中心から青色の塗装をした大型の戦車があり、開き出したのを同時に

此方へと迫って来た。 ある程度進むと戦車は停止、上部の扉が開き出した。

 

 

そこから青い軍服を着た男が出てきた。

 

 

青い軍服の男「やああっ! テメェが正男かぁ?

 

 

正男に向けて挨拶をした。 しかし、その言動は結構ガラの悪そうだ。

 

 

正男「あぁ、俺が正男だ。」

 

 

青い軍服の男「んっふ〜♪ (鼻息を噴出す) 超人だからスーパーヒーローなのかな?と

想像をしていたが、えらい違うじゃないかぁ・・ 

 

 

あんたファッションセンス無さ過ぎww」

 

 

正男「余計なお世話だな・・。」

 

 

青い軍服の男「おっと! (両手を叩く) そうだ、俺の自己紹介を忘れたなあぁ〜。

そうじゃないと、なんだかんだで意味不明な男と思われちまうからねぇ〜。

 

 

じゃあ言うわww 

 

 

俺、ゼット。 HITのリーダーだ!!

 

 

正男「そうか・・・。 ・・・って、アンタがリーダー?」

 

 

ゼット「そうだよ〜。 俺がリィィィーダァァァーーーなんだぜぇぇww!!」

 

 

正男「はぁ・・ (溜息) こいつがリーダーなんだぁ・・。」

 

 

 

クリス「世の中、こんなふざけたリーダーがいたのは、生まれて知ったわぁ・・。」

 

 

ゼット「そして、この街を俺の物にするのだ!!」

 

 

正男「その前に、自衛軍と俺でお前等を叩き潰すわ。」

 

 

ゼット「あぁん? 俺らを叩き潰すうぅ? 

 

 

もざけぇんなぁ!!

 

 

お前等なんかお陀仏なんだよ! しかも3秒でな!! 

 

 

おいっ 画用紙とペンを持って来い!」 

 

 

兵士がスーパーで売ってる幼児向けの画用紙とクレヨンを持ってきた。

そうしている内に3秒が過ぎてしまった。 しかもペンじゃなく、クレヨンで・・。

 

 

ゼットがそれ等を受け取ると、クレヨンで画用紙に書き始めて5秒後、

満足した表情で正男達に絵を見せた。

 

 

その絵は頭に正男と千人の警察官と軍人が文字で書かれた一体の棒人間が書かれていた。

 

 

正男「・・・・。」

 

 

ゼット「今のお前等を描いたんだよww」

 

 

5秒という凄惨な画力の絵に『何これ?、ふざけてんの』みたいな顔しながら見つめた。

 

 

ゼット「いいかぁ、俺達とZECTを合体すれば戦力ぶっちゃけアップ!!

戦車バンバンバンババンと投入して一気におんめぇらを全滅させる!」

 

 

その画用紙を再び描き始める。 そして7秒後・・ 正男達に見せた。

 

 

頭に正男と千人の警察官と軍人が文字で書かれた一体の棒人間が、

鏡餅みたいな形をした雑で戦車なのかよく分からない戦車に弾き飛ばされる絵だった。

しかも棒人間が『ギャー』と吹き出しを付けている。

 

 

クリス「う〜わ・・。」

 

 

ゼットは新しい画用紙を出し、物凄い勢いで描き始める。

そして10秒後・・

 

 

ゼット「そして、次の日のお前等だあああぁぁぁぁ! ほらお前もいるよ!」

 

 

その絵は正男を含む人々がゼットに向けて土下座をしていた。

 

 

有名な美術館で飾られるぐらいの画力で・・

 

 

正男「アンタ、絵うめーなぁ・・。 画家にでもなったら?」

 

 

ゼット「あぁん? なんかムカついたぜ。 話は終わりだぁぁぁ!

とっとと消え・・・   ・・ん?」

 

 

ゼットは上を見上げた。 見ると、数十機の国家自衛軍の大型ヘリが此方へと向かって来た。

 

 

ゼット「これはやべぇっ・・ 滅茶苦茶本気だっ! 撤退撤退!!」

 

 

ゼットは画用紙を投げ捨て、戦車の中に再び入り込み、戦車を起動、

そのまま山の方へ走って行った。 それに続いて、戦車や敵の集団も彼方此方へと散らばって行った。

 

 

そんな中、ヘイックはまだ動かなかった。

 

 

ヘイック「おいっ 正男! 今回はお手上げにしよう。

だが、次会ったら殺すからな! 絶対にだ!」

 

 

そう告げると、ヘイックは山の方へ走り去って行った。

 

 

クリス「ねぇ・・ 追わないの?」

 

 

正男「必要ないさ、また何処かで俺を殺しに来るだろう。

そろそろ俺の近くにヘリが下りてくるぞ・・。」

 

 

そう呟く内に、正男達の近くで国会自衛軍のヘリが降下して着地をしようとしていた。

 

 

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