鉄の怪人「ちょこまかと動き回りやがって!」

 

ガチチ・・・

 

鉄の怪人「・・・!?」

 

 

正男達に翻弄されながらも、鉄の怪人は何十発もばら撒く気分で

両腕のガドリングを相手に向かって発砲をしようとするが、銃器の内部から歯切れの悪い音が鳴り出した。

 

 

鉄の怪人「くそっ 弾詰まりか!」

 

 

ガドリングの砲内に弾詰まりが起き、発砲が出来なくなった。 

エネルギー装置で何度も弾丸が精製出来る機能で自慢だった鉄の怪人にとっては驚愕した。

鉄の怪人は慌てて、弾詰まり状態になったガドリング砲を直そうとした。

 

 

正男「おいっ! チャンスだ!」

 

川佑「よっしゃ! くらええぇぇ!!」

 

 

ババババババ!!!

 

 

その隙を正男達は逃さなかった。 

川佑のマシンガンの猛攻で鉄の怪人をよろけさせた。 

その次に正男は鉄の怪人の足に足払いを掛け転ばせた。

ここでお得意の必殺技を掛けようとした。

 

 

鉄の怪人「俺に近寄るなぁぁぁーーーっ!」

 

 

怒り狂った鉄の怪人は倒れたまま、ガドリングを連射しながら暴れまわる。

さっきの攻撃でガドリングの弾詰まりが直ったようだ。 

だが怪人の意味のない反撃が仇となり・・・

 

 

鉄の怪人「うおおおぉぉーーーっ!」

 

 

ガラガラガラ ドドォーーーン!!

 

 

何十発もガドリングの弾で撃ち込まれ、ボロボロになった天井の板が瓦礫となって落下。

その無数の瓦礫が鉄の怪人に直撃し大破、その後は瓦礫の山になる形で埋もれてしまった。

 

 

川佑「どうだっ! 俺達の力を思い知ったかクソがぁ!」

 

クリス「貴方は殆ど隠れたり離れたりしながら撃ってたじゃない」

 

川佑「いいじゃねぇか。 そのやり方も戦法の内で、正男の援護になるって事よ。

それに一般人であるお前が何で付いて来たんだよ?」

 

正男「そういえば・・・」

 

クリス「あらやだっ 無意識になって付いて来てしまったわ」

 

 

無意識という言葉に正男と川佑は一瞬、口が停まった。

 

 

川佑「クソ強い女だなぁ・・・」

 

 

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〜 HITの本拠地 〜

 

壁に数台のモニターが貼られた指令室でゼットが椅子に座りコーラを飲みながら寛いでいた。

その部屋に一人の男が入って来た。 ゼットは振り向くと、その男の顔色が少し悪く見えた。

 

 

ゼット「どうした、調子に乗り過ぎて変な物でも喰ったか?」

 

男性「ゼット、その気だるさを抜いたほうがいいぜ」

 

ゼット「どういう事だよ」

 

男性「赤帽子共に街中の拠点がぶっ潰れたよ」

 

 

衝撃の返答で驚いたゼット。 

この時、コーラが喉に詰まりモニターに向けて口からコーラを吐いた。

 

 

ゼット「ゲホッ ゲホッ! マジかよ。 それはやべぇなレックス」

 

 

咳を吐きながら、相手の名前を言うゼット。

この男性はレックス・ウィリアム。 

かつてニュータウンで正男と対峙したZECTの幹部で司令官としての役割を担う。

 

 

ゼット「まぁ仕方ない。 アンタらの恐ろしさで何とかするんだろ?」

 

レックス(男性)「そうだな、俺達には軍を上回る戦力を持っている。

そしてゼイターは過激派もビビる手段を取ったらしいぜ」

 

ゼット「へぇ、どんなもんさ?」

 

レックス「こんなもんさ・・・」

 

 

レックスはゼットの耳元まで近づき、その手段の内容を話す。

 

 

ゼット「そうか! これなら正男も小便がちびる訳だ。 ギャハハハ」

 

レックス「何せ、ここに続く道に仕掛けているからな」

 

 

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再び、正男達の視点に映る。

 

〜 エメラルドシティ 〜

 

夕刻・・・ 日が沈み、夜の闇へ沈みかける頃。

 

街の中心部に戻った正男達は軍が敷説されたテントの中で会議をしていた。

観光客であった正男はすっかり組織討伐の先導者となっていた。

内容はHITの潜伏先だ。

 

正男達が街中を駆け回っている間、軍の偵察部隊が上空で偶然にも本拠地を発見した為だ。

本拠地はエメラルドシティ北部の湖の隣にある。 

此処から本拠地への最短ルートは山間部の森林を突き抜ける事だ。

 

当然照明らしきものが無い為、夜間に出向けば危険性が増す。

それを主張する川佑であるが、正男はZECTと暗闇の中で渡り合った経験を得ており、

今すぐにでも行けると豪語する。 それを聴いたクリスはやや呆れ気味だ。

 

 

川佑「まぁアンタならの話だがな・・。 だが、"猿も木から落ちる"ということわざを知ってるか?

ここの駐留や援軍も全て小隊とは言え、相手がクソ強くなっているのは目に見えて明らかだぞ」

 

正男「俺は鉱山や遺跡に火山そして宇宙まで行った。 何ともねぇ」

 

クリス「命知らずねぇ・・・」

 

軍の兵士「少尉! 大変です!」

 

 

一人の兵士が正男達のいるテントの中へ入った。 

汗水を垂らしている事から、かなりの慌てっぷりだ。

 

 

川佑「どした?」

 

軍の兵士「先程、偵察の別働隊が森林で探索したところ行方不明になりまして・・・」

 

川佑「何だと?」

 

正男「奴らめ、次の手を打ったか」

 

川佑「くそっ、嫌々だが仲間が危ねぇ!」

 

 

仲間の危険が晒されていると知った正男達は急遽、

エメラルドシティ北部の森林へ急行した。 ここからZECTの更なる激戦が始まる。

 

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