~ 山道 ~
リックス「そういや、この山を抜けたら、何があるんだろうか?」
エリーナ「この山を降りた先は街があるわ。 『エルティナス』と言って、
嘗て、この地には女神が舞い降りたと言われているらしいわ。」
リックス「エルティナス? あぁあれか、思い出したぜ。
此処からヴェレン地方に入るのか・・。」
会話を交わしている内に、山の頂上へと辿り着く。
エリーナ「結局、あのドロドロの化け物達が出てくる原因は掴めなかったみたいね。」
リックス「登ったかいがなかったな・・。」
険しい山道を苦労して登り、山の頂上まで来ても、
結局、ドロドロの化け物の発生源は掴めなかった。
唯一、ここで掴めたのは、自分達の足の疲労感だけだった。
一度、溜息をついた二人。 折角、ここまで登った事だから、景色だけでも見ようと、
その辺の大きな石に腰を掛け、景色を見渡す。
女神が降臨されたと言われているあの美しい街、エルティナスが
リックス達の視線に映るが・・
リックス「なぁ・・。 あの街の家の屋根って、緑だったっけ?
確か、エルティナスは街の全ての建物の屋根が伝統的な赤で染められていると言われてるが・・」
エリーナ「あらっ 本当だ。 でも、良く見て・・、所々に赤の部分が残っているわ!」
リックス「むっ・・ 確かに。 どういう事だ? まさか、塗り替えでもするのか!?
そんな事したら、女神に喧嘩売ってるようなもんだぞ。」
エルティナスの街は、伝統的な街の文化を残す為、建物の屋根全てを”赤”で統一されている。
しかし、リックス達から見ると、屋根の一部には緑が染められている。
ドドーン!!
エルティナスの街の一つの建物が爆発した。
そして、建物の火災で煙が空へと舞い上がった。
先程起きたその光景に二人は驚いた。
リックス「うぉい! あそこが爆発したぞ」
エリーナ「どうなってるの!?」
リックス「くそぅ! こうなったら、二人であの街に行くしかねぇな。」
エリーナ「そうね・・。 あの街に何があったのか、気になるからね。」
そう呟いた後、エルティナスの街へ向かうべく、下山するのであった。