~ 地下 ~
途轍もない臭いに襲われ、吐き気がしたり、涙が出たりと、二人を苦しめる。
もっと酷いのは、ドロドロの水だ。 先へ進む為にその水に飛び込んだ。
水中を潜り、先へ続く道を探しながら泳いで行く。
水面から這い上がり、ドロドロの地面に立つ二人。
リックス「くそぉーっ! 真っ白な服が一気に汚れてしまったぜ」
エリーナ「あへへへへ・・・」
リックス「おいっ、どうした! 泥まみれになり過ぎて可笑しくなっちまったのか?」
エリーナ「身体が汚れても、心が汚れてなければそれでいいのよおおおぉぉーーー!!!」
リックス「こいつ・・、頭のネジが飛んじまったか?」
エリーナの狂気に見舞われながらも、奥へ進んでいくと、そこに魔方陣が描かれた台座を見つける。
二人はそれに近づき、その魔方陣を目で確かめる。 それは、瞬間移動に使われるものであると分かった。
リックス「エリーナ! これで、出られるぞ!」
エリーナ「えぇっ! 出られるの?」
リックスの言葉に、エリーナは先程まで、狂気に満ちていた顔が笑顔へと変わっていった。
同時に目から涙が顔面を沿って傾れ落ちていた。
今までに無い悪臭から開放されるという喜びが表に現したともいえるであろう。
二人は早速、魔法陣に触れて瞬間移動を起こし、悪臭の漂う地下から脱出を果たした。
~ 王座 ~
瞬間移動を終え、大部屋に辿り着いた二人。
辺りを見回すと、そこに高級な装飾を施した椅子が設けていた。
どうやら、ここは王室であると認知したのである。
リックス「地下から王座に繋がっていたとはな…。何で、こんな場所に繋がっている?」
エリーナ「ここに着くとなると…、あれはきっと身の危険が感じた時に設けたんだわ」
リックス「そうか、納得できるな。 王家の皆さんはそれを使って、城から抜け出した訳か…」
エリーナ「そして、私達はそれを使って、ここに来たのよ」
リックス「そうか…。にしちゃあ、ここにいても無意味じゃないか?」
エリーナ「そうね、速く城から出て、救出しに向かわなければ!」
エリーナは言った後、二人は王室を出る為、王座の前方にある扉を開けた。
その直後だった。 二人の目の前に敵が現れたのである。
その姿はキャタピラの付いたロボットであるが、頭部はドロドロの怪物という、
その異様な組み合わせは、今までの怪物とはかけ離れた存在とも言える。
怪物の視線が此方に向くと、うなり声を上げ、両側のアームに付くガドリング砲の射程が、二人の方に向いた。
リックス「おおヤバいっ!」
銃口から数十発の弾が発射、数メートル先まで、床面に着弾する。
リックス達は咄嗟に避けた為、被弾から免れた。
エリーナ「これは応戦するしかないわね…」