~ 飛行場への通路橋 ~
ASはずっと思っていた。 青い帽子を被った少年は何故、あそこにいたのか?
頭の中の半分はそれで抱かれていた。
この時、余りにも考え込み過ぎたせいか、その先の移動床に気づかず、
足を踏み入れた為、足を掬われ、尻餅をついてしまった。
直後、ASはハッとした顔で何かを思い出す。
三日前のある事故の事である。
三日前、軍が開発した無人の宇宙航空偵察機が
システムに不良を起こし、未開の星に墜落したのだ。
ASが所属する部隊とは別の海兵部隊が未開の星へ偵察機の残骸回収に向かった。
回収後に、未開の星で何らかの支障が起こらぬ様、墜落の証拠を消すつもりであった。
しかし、墜落現場で一人の若い男性が意識を失った状態で倒れているのを発見した。
偵察機の墜落の衝撃に巻き込まれたらしい。
驚いた海兵部隊は一人の若い男性を意識を失ったまま、
宇宙へ飛び出し、医療施設へと搬送した。
幸いにも、軽傷であった為、治療は軽く済ました形で終えた。
今後、その男性は、墜落事故の記憶を消去を施した上で、元の星へ帰す予定だという。
また、男性を運ぶ宇宙船では燃料の補充を行う為、途中、
軌道線上にある小規模の惑星に寄るという。
ここでASは、青帽子の少年の謎が明らかとなる。
途中、燃料の補充の為に寄る惑星はX-084である。
つまり、青帽子の少年の正体は
無人偵察機の墜落に巻き込まれた10代の男性であるという
結論に結びついたのである。
青帽子の少年が軍の施設にいた理由は、
宇宙船に下ろされ、燃料の補充を終えるまで、留置されたのであろう。
また、起床を防ぐ為、麻酔も施している。
この墜落事故の詳細に、ASは知っていた。
謎を解明し、スッキリしたASは、青帽子の少年と共に宇宙船発着場へと向かっていく。