ストーリー

 

~ 広場 ~

 

怪物の挑発に乗らされた正男は湖の岸辺を、行き先々で待ち受ける敵の一味を頭部を圧し折らす等退けさせ、

ついに怪物がいると思われる広場へと辿り着いた。

 

広場の周りにはバザーのイベントで建てられた華やかな色の集会テントや商品があった。

 

ここでは地元の人や街起こしを聴き付け街外から来た観光客で賑わっていた筈だが、暴動のお陰で人の姿が見当たらない。

それどころか、正男を襲いに来る敵の一味すら一人もいない。

 

静かさが漂う広場で一人佇む正男。 確かこの辺にいると感じ、歩きながら怪物を探し回る。

 

突如、空から何かが飛来する音が微かに響き渡る。

それに気付いた正男は上を向こうとせず、咄嗟に身体を回転しながらその場を離れる。

 

 

ドオオォーーーン!!!

 

 

凄まじい爆音と共に出る爆風、陳列していた商品がその衝撃で飛ばされ、地面に散乱した。

 

彼の判断が誤れば、今頃ロケットランチャーの奇襲で身体が粉々になっていたであろう。

 

 

「下らない不意打ちを掛けやがって」

 

「ケケケ、ナカナカヤルナオマエ」

 

 

回避してから、再び立ち上がる正男。

空の方へ見上げると、ホテルで奇襲を掛けに来た怪物が飛んでいた。

 

剛鉄の装甲を施した身体に赤外線と思しきゴーグル、羽根を生やしている事から、

如何にも悪魔に見立てた形態である。

 

しかも、カタゴトであるが人語も話せる。 

正男は思った、何か敵の情報が聞き出せるのかもしれない。

 

 

「おい、貴様!? 何の目的で街を滅茶苦茶にする!」

 

「ウルセェ! クソヤロウニハナスモノナドナイ」

 

 

怪物は笑い声を上げながらロケットランチャーを撃ち込んできた。

正男は敵の攻撃をサッと避け、ロケットランチャーの弾は広場に着弾して爆発した。

 

希望的観測は裏切られ、敵に汚い言葉を浴びせられるという始末に終わった正男。

 

 

「無駄な事だったか、仕方ない。 クソを言う奴はクソらしく散ってもらうしかないな」