ストーリー


~ メモリアルパーク ~

まだ利用されてはいない墓園を越え、施設に入る正男。
ここの施設は火葬場のみならず葬儀会場と併設しており、
葬儀が終えれば直ぐに火葬は出来るという、終活のコストとしての利便性が優れている。
不謹慎ではあるが…


葬儀会場、火葬場への上屋の通路を経て火葬場で物騒な戦いを繰り広げた後、
また別の墓場へと抜けだした。
ここの墓場も墓石に名前が彫られていない事からまだ利用はされていない。




「これで行き止まりか…、かなり数を減らしたようだな」




彼の言葉通り此処で道は途切れており、此処までの間に潜伏している敵を討伐したのだ。




「もう危険は無くなったのも同然だな…。 仲間に伝えておくか」




懐からスマホを取り出し、守が率いる治安部隊に連絡を掛けようとした。
だが、彼の周囲に怪しい気配が漂い始める。




「んっ…? ありゃお化けか」




視線の先には蒼白い炎が墓場の上空に縦横無尽にさ迷っていた。
街中から響く騒音が亡霊を叩き起こしてしまったというのか…?


いやっ それはちょっとおかしい
何せ、ここの霊園は完成したばかり。
それにオープンもしていないから、墓の下で眠る者はいなければ、遺灰をまかれてはいない。
そう考えると、別の意味で身の毛がよだちそうだ。


しばらくじっと見つめると、敷地外から別の炎が飛来し、そしてまた別の炎。
同じ炎がじわじわと数が増していく。


一定数を超えた時、蒼白い炎の群衆は円を描くように回転し始める。
半径が狭まり群衆が密接した瞬間、融合し始めた。


同時に発する閃光に正男は眼を眩まされる前に腕でそっと隠しだす。
融合による光が収まり、腕を下ろした。




「俺の想像を越えてしまったな…」




見上げると、青いヘルメットに蒼白い炎を肉体としたムキムキの生命体が浮いていた。
お化けとも思える蒼白い炎が集合体になったのである。


生命体の身体から蒼白い炎を放出、しばらく周囲をグルグルと回っていると
正男に向けて一直線に放った。


戦闘のプロでもある彼は生命体の行動を見抜いていたので、
投げ飛ばした蒼白い炎を軽くかわした。




「結局、お化けみたいな奴も奴らの仲間か…。 どんな技術を持ってんだよ」