ストーリー

~ 駅ビル ~

スペーションオープンスペース…

その名の通りヒレッジニュータウンの玄関口とも言われる唯一の巨大な駅。
広葉樹で並べられた駅前広場の前には駅舎と融合した複合商業施設である駅ビルが聳え立つ。
ニュータウンに暮らす人々がこの場所を行き来し、最も賑やかな環境とも言われている。

…人の命を嗜む者が此処に集わなければの話だが


正男「ここが駅前広場…、向こうに建っているのが駅ビルか」


緑で溢れた広場ですら、
所々に生やす黒い手と針で薄気味悪い雰囲気を漂わせる。

駅ビルの方はもっと酷い。
灯はと灯しておらず、ゴーストタウンの象徴と揶揄されても致し方ない。


正男「ここに謎のお嬢さんが立てこもっているそうだ…」


ドローンの映像では例の女性は駅ビルに屋上にいた事だ。
大分時間が過ぎているが、今でも其処にいるのだろうか…?
はたまた何処かへ移っているのだろうか…?

嫌っ 後者はそんな事はあり得ない。 
あの女がいなければ、今の雰囲気は一掃されている筈だ。


正男「女だから…、そんな甘ったるい固定観念では駄目だ。
ニヒルな笑みで俺が考えられない事を仕出かすかもしれないからな…」


相手と出会った事でこれから起こる危険性を想像しながら
駅ビルの中へ入り込んで行った。




当然だが、その行動をレックス・ウィリアムが見ていた。




レックス・ウィリアム「赤帽子が駅ビルに入ったぞ。
覚悟は出来ているか? ヘルザード…」


通信機でヘルザードと呼ばれる者に応答した。


ヘルザード(通信機)「覚悟? 何それ? チョー受ける。 アタシには関係ないね」

レックス・ウィリアム「ふっ、いつも通りだな」


回答ににならない返答だが、
レックス・ウィリアムは薄気味悪い笑みを浮かべていた。