向かう先で立ちはだかるキメラとも称される怪物は接近戦だけでなく遠戦でも優れていた。
近づけばトラバサミの腕で殴り掛かられるか、口から火か冷気、塩酸が噴き掛かられる。
引き下がれば砲台の恰好の的になる。
レックスと並んでかなり厄介な物が現れたものだ。
だが、砲台から発射する直前に弾を装填するような音が聞こえる。
撃った直後に砲弾をフレイサンダーで当てて、爆風で怪物を怯ませることが出来ないか試してみる。
ドォーーーン!!
怪物「グギュアガアアアッ!」
発射のタイミングを読んだ的確な射撃。
直撃を受けた砲弾は爆発。
爆風を受けた怪物は妙な叫びを上げながら怯んだ。
試した価値があったようだ。
その隙を逃さまいと正男は猛ダッシュで怪物に接近。
先ずは砲台を使わせないように殴打して破壊。
その次に怪物の両目に何度も拳で叩きつける。
唸り声を上げた怪物。
視界を失わせた後、正男はバック転をしながら後方へ下がっていく。
両手を重ね力を溜めながら、苦痛で広げた怪物の口に向けていく。
正男「フレイサンダー!!」
トドメの一撃を放った。
正男の技は怪物の口の奥へ突入。
体内に直撃し、怪物の甲羅にヒビが入った。
そして、甲羅が砕け散って怪物の肉体は爆散した。
正男「よし…、蛇足を片付いたな」
通路での戦いが終わった後、怪物の肉片の間を通り、通路の奥へ進んで行った。
その様子を監視カメラが捉えていた。
~ ??? ~
???「ほう…、最後の防壁を打ち破ったか。 再会が楽しみだな」
正男と怪物の戦いを終始映した監視カメラの映像が
黒いコートの男が持つスマホの画面に流されていた。
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…最後の回想
ニュータウンでの一件を終えた正男は自分の車で帰路へ辿っている。
散発する暴徒の対処に手を焼く守、
良心はあるが様々な重圧のお陰で表に出せない室長のフジヤマの事が気になって仕方ない。
そして黒服の男に掛けられた意味深な会話…。
正男は駆除業者として日々の業務をこなしていた。
強いモンスターを倒せる力を持つ者であっても、彼の人生において無縁であった泥臭い物事を目の辺りにして以来、
不安が溜まり、心に重く圧し掛かっている。
どうすれば良いのか答えが浮かばない。
車の中で考えても仕方ない。
たまたま国道の傍に見掛けたドライブハウスに寄って、一息つこう。
~ ドライブハウス ~
正男(ふぅ…、温かい物をすすっていると心が温まるな)
キツネ蕎麦を召し上がる正男。
フロアの壁に備え付けられたテレビには旅番組が流されていた。
だが、何気ない安らぎの一時に突如遮るような出来事が起こる。
テレビの映像が変わり臨時ニュースが流れた。
その内容はヒレッジニュータウンで正体不明の巨大武装勢力に襲撃されたとの事。
正男にとって反応せずにはいられない衝撃の情報だ。
正男(今、何て言った…?)
俄に信じられない報せに戸惑うも、気を持ち直しニュースの映像を改めて確認する。
どうやら事実のようだ。
映像には悲鳴を上げる住民や応戦する警察隊や警備隊が映されている。
正男(俺の不安が当たっていたというのか…?)
急がなければ守や室長のフジヤマの身が危ない。
正男(俺も行かなければ…)
正男は食べ掛けのキツネそばを返却口に置き、
ヒレッジニュータウンへ全速力で戻って行った。
回想終了…
ニュータウン内で駆け巡る孤独な戦いは
ついに最終局面を迎えようとしている。
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