城の奥深く、重たい空気が沈む広間で、正男とダークピカチーがミウセカンドと激闘を繰り広げていた。
正男「これで二度目だな…、ミウセカンド」
ミウセカンド「前の戦いよりキレがあるようだな」
正男「身体が慣れ切っているからな」
ダークピカチー(すげぇ戦いだ…、少しでも見誤ったら、人生終了だぜ)
前回の戦いは、正男にとって決して無駄なものではなかった。
あの時繰り出した攻撃…
動きの癖…
間合いの取り方…
それらはすべて、正男の身体や神経の隅々まで染み込んでいる。
ダークピカチーはミウセカンドの力の強さに驚いているが、闘い甲斐があると興奮している。
ミウセカンド「念力!」
正男「ファイヤーボール!」
ミウセカンドの念力で宙を浮かされた正男…、
ここで身体を急回転する事で念動力のエネルギーを磁石のように受け流し、その瞬間に高威力のファイヤーボールを放った。
ミウセカンドは両手で交差させて顔を守り、ファイヤーボールを受け止める。 だが…、その隙が生じた。
背後から高速移動で廻り込んだダークピカチーがミウセカンドに目掛けて…
ミウセカンド「ぐおっ!」
ダークピカチー「おらっ ダークピカチーキックだこのやろう!」
背後から蹴られ、ミウセカンドは態勢を崩す。 同時に念力が解かれた正男は床に落ちながら、ミウセカンドに目掛けて!
正男「よし、もういっちょ!!」
再び高威力のファイヤーボールを放った。
ミウセカンド「ぐはぁっ…」
ファイヤーボールにモロ直撃のミウセカンド、そのまま片膝を付いてしまう。
ダークピカチー「おぉっ、やったか?」
正男「フラグを言うな馬鹿!」
ダークピカチー「いやぁぁ…、さっきの即席プロレスキックでここまで追い込むとは思わなかったんだ。
フラグを言ったが、言わんでもアイツは起き上がって来て、再戦が入る。 そん時に俺がカッコいい技を出して決めたいのさ」
正男「武勇伝作ろうと思っているのか!? 今は人類とペットモンの共存が崩れそうなときに」
ダークピカチー「正男、言い争っている内にまた起き上がったみたいだぞ」
視点を変えると、ミウセカンドがよろめきながらも目力を込めて立ち上がる姿が…。
ミウセカンド「そうだ…、そちの言うの通りだ…。 私の野望の炎は簡単には消えぬ…」
ミウセカンドは起き上がった。
確実に追い込み、こちらに優位が築いていると思われたが、ミウセカンドの執念で浅はかだったと感じさせる。
焦りが一つもない、覇気の籠った表情で、ミウセカンドは静かに両手を掲げる。
ミウセカンド「我が何も学んでいないと思っていたのか!?
此度の闘いの為に新たな技を見につけた」
低く響く声とともに、空間が歪む。次第にその両手の上に、巨大な暗黒の球が形成されていく。
それは光を吸い込むような存在だった。膨張し、圧力を増し、やがて空間そのものを押し潰すような気配を放つ。
正男とダークピカチーは思わず足を止める。
ダークピカチー「でけぇ隠し球を持っていたとは!」
正男「おいっ ダークピカチー! フラグを言った結果がこれだ!」
ダークピカチー「いやっ、あれは自爆じゃねぇだろ」
ミウセカンド「正男とその連れの者よ。 驚くべきものを披露してやろう! はぁっ!」
次の瞬間、暗黒の球が爆発した。 轟音とともに、そこにいた3人は黒い光がすべてを包み込んだ。