予想外の展開、戦争の火蓋を切らせた元凶の男ジェルファ。
ジェルファ「んあんだとおおぉっ!」
当初、高度な魔法に自信を見せていたジェルファだったが、
王を倒した正男に敵う筈が無かった。
正男の攻撃で力が弱まり、そのまま床にゴツンと落下。
ジェルファ「強者の戦いの連続で憔悴する事で
見込んで挑んだと思ったら、私がこの有様だと…。 何という規格外の男じゃ」
見通しが甘かった事に痛感したジェルファ。
それでも正男に向けて魔法で攻撃しようとする。
ゼロス「おっと、正男よ。 ここだけは失礼するぜ」
応戦しようとする正男との間に割り込んだゼロス。
戦いで傷ついてはいたが、僅かな休息で持ち直したようだ。
ゼロスはジェルファに近づいた。
ゼロス「ようジェルファ。 愚かな人間の中で最も憎たらしい男…。
俺たちの怒りを思い知れ!」
片手に炎が包まれる。
強く握られた炎の拳をジェルファに向けて…
ジェルファ「ふぎゃああ!! …ふぇっ?」
ジェルファの顔面に殴りつけるかと思いきや、
わざと拳の向きを変え地面に叩きつけた。
ゼロス「お前を殺すのは、罪状を人間共の衆目に晒してからだ。
此処で奪い取ってもいいが、それでは物足りないからな」
ジェルファに怒りに満ちていたゼロスであったが、
相応しい罰を与えるべく、その場で殺める事はしなかった。
ゼロス「ふっ…、こんな形で俺たちの戦争は終結してしまうとはな。
まぁライバルであるお前のお陰で元凶を引っ張り出せた事を思うと未練はないな…。
負けを認めよう」
正男「…穏やかになったな」
ジェルファに背を向け、正男の下へ歩み寄るゼロス。
敗北を迎えた帝国軍。
だが、その一人であるゼロスの表情に虚しさは感じられなかった。
レオナルドから理由を聞く機会を逃した正男から見ると
どうやらある程度目的を果たしたように捉える。
ジェルファ「おのれぇ…、貴様らに勝利は譲らんぞ」
団欒になった正男達に向けて、こっそりと強力な魔法を仕掛けようとする。
だが突如、思いもよらない展開を迎える。
何処からともなく、黒く濁った巨大な炎が飛び掛かる。
正男「なっ!」
ゼロス「避けろ!」
炎から避けた正男達。
ジェルファ「ふぎゃあああ!」
ボロボロで身体が動かせなくなったジェルファは避けることが出来ず、そのまま飛来した炎に包まれた。
レオナルドを追い詰めた不意打ちが自分にも降り掛かるという呆気ない最後であった。
ゼロス「くそっ! 誰だ!」
ゼロスの怒涛の叫び声の後、暗闇から炎を放った者の姿を現す。
マシュリン・ルルン「嘘っ!」
正男「おっ お前は…!」
ゼロス「もう一人の自分…?」
姿を現したのはゼロスそっくりの男だった。
事情を知らない部下の仕業かと思われたが、予測は大きく外れた。
ゼロス「貴様、何者だ! 何故、俺に擬態する!」
その問いに応える筈が無く、もう一人のゼロスは正男達に向けて攻撃する。
ゼロス「くっ…! 正男、こいつを知っているか?」
正男「今更聞いても俺だって! …いやっ 思い当たるところがある。
だが、まずは偽者を黙らせてからだ!」