素手だけで刑務所を脱走出来る実力を持つゼットに相手するクリス。
ゼットの打撃技をハンマーの柄で受け止め続ける。
ゼット「はははっ! こりゃあ驚いた。 お前はもう守られる方のヒロインじゃねぇな」
クリス「余計な口出しよっ!」
クリスが戦っている傍で、五十郎はギルティアとジェルンの二人を相手に戦っていた。
ギルティアとジェルンは街で盗んだ鉈を武器に挑んでいる。
五十郎「大人しくしやがれ!」
ギルティア「それはお断りだなっ!」
ジェルン「私たちは引き下がらないっ!」
突如、交戦中に空から乱入者が現れる。
ゼット「あれは…、あの男か!?」
五十郎「こんな時にっ!」
ジェットで飛行するゼロスがこちらに向かって来た。
ゼロスがある程度の距離で近づくと、五十郎とクリスに向けて火炎技を連射する。
五十郎「援護射撃かっ!」
クリス「きゃっ!」
咄嗟に後退る二人。 敵対者の距離が一気に開いた。
ゼット「ムショに出た途端に現れるとはな…」
ゼットの前に着地するゼロス。 ゼロスは後ろにいるゼットに顔を振り向き、合図をしながらこう急かす。
ゼロス「俺ニ、ツカまれ!」
ゼット「おっ…、おぅ…」
嘗て、エメラルドシティで大きな野望の為にゼロスとスペールを組んでいた。
だが、自分の本拠地で自分が敗れるまで、彼らが助けに来る事は無かった。
そんな彼が今、五十郎達との間に入り助太刀をしている。
ゼットは困惑したが、チャンスに逃すわけにはいかないと感じ取る。
ゼット「おまえらっ! 逃げるぞ!」
ギルティア「おぉっ!」
ジェルン「分かったわ」
ゼットはゼロスの背中を抱き、ギルティアとジェルンはそれぞれゼロスの片手を掴んだ。
ゼロス「お空ニ飛ぶノハ、ジェットコースターよりモ激しイから気をツケロヨ!」
ゼット「最高のフライドかっ! おっしゃ分かった」
五十郎「くそっ! 逃がすかスパークソードッ!!」
電気を纏った斬撃技で放とうとするも、それよりも早くゼロスはゼット達を抱えたまま一気に空へ飛び立ってしまった。
五十郎「くそっ…」
クリス「五十郎…」
五十郎「正男はゼロスが改心したと聞かされたが、俺はこの目でようやく分かった。
奴は正男にたぶらかされたんだ…」
クリス「でも、何かしら理由がある筈よ!」
五十郎「動機を聞き出す価値もない!」
クリス「だったら、その前に正男に伝えた方が良いわ! 五十郎、貴方は先の事で顔が荒くなっているわよ」
五十郎「うっ…」
冷静さを失っている事を指摘された五十郎。
被害が及ぶ前に倒す事を貫くべきかそれとも正男に相談して何かしら対応を打つべきか心の中で問答した末に出た答えは…
五十郎「クリス、ここは一度だけだぞ…」
クリス「はぁ、ありがとう…」
落ち着きを取り戻したようで安堵を浮かべるクリス。
五十郎「また電話か…。(電話を掛ける) はい、こちら五十郎です…、分かりました。(電話を切る)
また別の場所で暴動が起きているらしい」
クリス「心配だわ。 貴方に付いて行くわ。 きっと役に立つわ」
五十郎「しかし…、仕方ない。 自分が足手まといと思ったら逃げておくんだぞ。
はぁ…、俺たちこの先が思いやられるな」
五十郎はクリスと共に、次の現場へ向かって行った。
どこかのタイミングで正男と連絡が取らなければならないと思いながら…。
某所にて
ゼロス「着いタ」
ゼット「…ジェット機に張り付いた気分だぜ」
街から離れた岩山に着地したゼロス。 ゼット達はその場に降り立った。
ゼット「ありがてぇと言いたいところだが…、どうも靄が晴れねぇんだ。
どういう道理で見捨てた俺に手を差し伸べた?」
???「そやつは本人ではないぞ」
ゼット「ん?」
振り向くと、ダークゼイターと海次が立っていた。
ダークゼイター(???)「刑務所に有名人がいるとはな。 衛星を撃ち出した事で嬉しい誤算が出たようだ」
海次「まっ、僕はあの時、思い出さなければの事だけどね」
ゼット「そこのガキは知っているが、この黒い帽子は誰だ?」
ダークゼイター「ダークゼイターだ。 だが、偽者のゼロスを作った男という肩書きだけでは留まらないぞ」
ゼット「あぁ、こいつは偽者なんだな。 感謝するぜ」
偽ゼロス「主人の命令ヲ果タしたマデッ」
ゼット「救ってくれたのはありがてぇ事なんだけどよ…。 俺の頭にクエクションが飛び惑っているんだ。 何で俺らを助ける?」
ダークゼイター「単純だ。 この世界を破壊する事だ。 ゼットのような者は遂行の為に欠かせない逸材なのだ」
ギルティア「へっ?」
ゼット「うおぉっ マジかよ、スケールがでけぇな! やりがいがあるぜ」
ギルティア「ちょっと待てよ。 そんなおおそれた事が出来るのか」
ジェルン「なんだか地味な男が言う野望なんて大した事なさそう」
ダークゼイター「まぁ最初はそうだ。 だが、騙されたーっと思って付いて来るのも良い。 いずれ良かったと感服するであろう。
そして、お前らの顔も知っているぞ」
ギルティア・ジェルン「?」
ダークゼイター「お前のリーダーのヘイックも俺の下に付いて働いているからな」
ゼット「そっか。 じゃあ騙されたーっと思って、アンタの下に入るぜ! おまえらもそうだな!」
ギルティア・ジェルン「あっ…、うん」
海次「へへっ…、仲間が増えて来たね」
ダークゼイター「これからは楽しくなるぞ。
偽ゼロスを臨時投入した事であの警官も多少混乱している筈。 良い影響を及ぼすであろう」
こうして、ゼットとギルティア、ジェルンはゼイターの仲間になった。
ダークゼイター「あぁそれと…、ゼット」
移動する前に尋ねられたゼット。
ダークゼイター「本物に見捨てられたのか。 辛いだろうな」
ゼット「ははは、もう気にしない。 どうせ過ぎた事だ」
悪であるならば、時には見捨てる事も有り得る。
意外にも気づかいを見せるダークゼイターにゼットは心配の必要はない事を告げた。
ゼット「この後、何をするんだ?」
ダークゼイター「まずは脱獄で使い果たした体力の回復に努めろ。
その間に俺はまた大きな事をやる!」
衛星攻撃によって対価を得られたダークゼイターであったが、
その後も覇道を突き進むべく、次の行動に取り掛かろうとしていた。
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