~ 鳥居の道 ~
数十本もの連なる鳥居を潜り抜ける力彦。
ふと彼の足が止まり、上を見上げた。 そこに刀を持ったロボットが彼に向けて飛び掛ってきたのだ。
それと同時に、道の脇にはからくりロボットが現れ、彼に向けて数本の矢を放った。
瞬く間に彼の危機が迫る。
力彦「こんなのは簡単だ」
彼は幾つかの矢を避けながらその内の2本の矢を片手で掴み取り、一本の矢を刀を持ったロボットに向けて投げ飛ばし頭部を命中させる。
そしてもう一本はからくりロボットに向け投げ飛ばす。 矢を放つ為の射出装置に命中しロボットはショート。
力彦はその間に近寄り目前まで来たとき、ロボットの頭部を片手で千切り取った。
力彦「ふぅ、こういう奴等の戦いに慣れてきたもんだ」
力彦はロボットの頭部を雑草が群がる所へ投げ捨てた後、再び奥へ進んでいった。
~ 稲荷大社 ~
鳥居を抜けた力彦は稲荷大社に辿り着く。 そこは赤と白を基調とした神社建築が建ち並んでいる。
重要文化財として指定を受け、旅行雑誌にも有名な観光地として掲載される等、この地では広く知られており、
連日は多くの観光客で賑わっている。
夜間も風呂帰りで参拝に訪れる人がいる筈だが、この時はロボットの襲来で人影が一つも見られなかった。
力彦「これじゃあ、まるで心霊スポットみてぇだな」
そう呟きながら、静粛に包まれた境内を歩き続けていた。 その時、彼の携帯電話が鳴り響く。
力彦「こんな時に・・・、んっ何だこれは?」
携帯電話を見て不思議そうに見詰める力彦。 その電話番号は市の職員のものではなかった。
力彦「何だ? おいおい、こんな時に電話かよ・・・」
状況的な理由で無視しようと思ったが、心の中で商売人とサービス精神の気質としては如何なものか?
そう問われる様に感じ始めた力彦は周辺に敵の姿が見られない事を確認した後、電話を掛けた。
力彦「はいもしもし、力彦工務店だ。 掛けてくれたのは歓迎するが、営業時間が過ぎている。
営業時間外の申込みはインターネットでやってくれ」
相手に予約を促し電話を切ろうとした時、相手から思わぬ返答が返って来た。
電話の声「過酷な状況に立たされながら電話応対とは・・・ いい気質をしているな。
元御曹司で喧帝と呼ばれた男、力彦よ」
自分の生い立ちを聞かれ衝撃を走る力彦。
一時戸惑いをしたが徐々に落着きを取り戻し、再び相手を問う。
力彦「肩書きは事実だけどよぉ、アンタどちら様?」
電話の声「悪いが今は名乗れない。 だが、何れにしろ分かる時が来る筈だ」
力彦「聞き覚えのないアンタなんか知るか」
電話の声「その時が来たら ・・・だ。 また掛け直す」
そう言うと男は電話を切った。
力彦「和郎といい、俺の電話から訳の分からん男にも目を付けられるとは。 全く、ひでぇ観光だ。
こんなのは滅多にないぞこれ!」
気に入らない者が増えた事に憤慨する力彦だった。 だが暫くすると…
力彦「だが何なんだ? 胸中から知ってる様な感覚が走ってくるぜ・・・」