ストーリー

~ 市役所内部 ~

一度、レポートの為に来たこの建物も荒れ果てていた。
内部を隅々で探索しながら階層を昇り詰めていく。
市長室へと続く通路に辿り着くと、椅子や机など家具が積み重なっていた。

即席バリゲートか…? だとすれば、人がいる可能性がある。
少年が家具を退かそうと動かすと、隙間から銃が飛び出して、その銃口が少年の眉間に付き突ける。

敵と勘違いして撃たれるのか? 生涯を終える事を覚悟した少年。
しかし、向こうから『待って』という声が聞こえる。 
すると、突きつけられた銃が家具の隙間に引っ込んだ。


「君はあの時の少年なの? 救助隊と思ったら、まさか貴方が来るなんて…」


聞き覚えのある女性の声…、その声の主は市長だった。


「逃げ遅れて必死で此処に避難してきたのね。
待ってて、お巡りさんと一緒に今すぐこの家具を退かすからね」


隙間から市長が顔を覗く。 
こんな形で再会出来るとは思いもしなかったのであろう。

自分の能力で少しでも人助けしようとしている少年が避難民である事を思っているようだ。
まぁ、そう思われても致し方ないという事か。
事情は後で説明しておこう。 でも、会話が不得手な自分がどう説明すれば良い。
そんな事も考えてしまう。

バリゲートの撤去が始まる前に暗雲がたちこもる。


「市長、大変だ! 途轍もない化け物がこっちに近づいてくる!」


男が慌てたような口調で市長に掛けていく。


「くそっ! ライフル銃で試したが掠り傷しかならん。 このままでは弾丸が尽きて、ついには…」

「少年! 何処に行くの」


少年はその場を離れる。 
問い掛ける市長の声にスコップを軽く振って、こう返した。


「『片づける』ですって! 馬鹿な事は止めなさい! あっ、待って!」


馬鹿でも構わない。 
少年は市長の必死の制止を軽く払い、背を向けて行く。


市役所の外へ出た後、建物の裏側に廻った。 
そこは駐車場だ。 ここで警官隊が言う途轍もない化け物と対峙する。

筋肉質にヘルメット、片手が油圧シャベル機のアーム。
いかにも工事屋の風貌だ。
この化け物に市役所が解体される前に倒さなければならない。

パワーがありそうだが、言葉通りに片がつきそうだ。