ダークゼイター「ハハハッ、お前と戦ってみると楽しいよな!」
正男(追い詰められて冷静さを失っているのか? それとも戦いそのものを楽しんでいるのか?)
ダークゼイターが搭乗する大型武装ヘリ。
正男の反撃で殆どの武装、機体装甲が損壊、そこから煙が噴き上げている。
それでもダークゼイターの猛攻は収まらない。
一歩間違えば奴の餌食。
ここまで追い込んでもまだ油断は出来ない。
ダークゼイター「気を緩むなよ。 気の緩みが勝敗が一気に傾く!」
操縦桿を強く握り締め、発射トリガーを引いた。
搭載しているミサイル砲から何十発の横長のミサイルが発射される。
正男「ミサイルの乱れ撃ちか…。 やってみるか」
正男は高速で飛ぶミサイルを何度も瞬く間に飛び移り、ゼイターが搭乗するヘリと同じ高度まで昇りつめた。
身体を横一回転しながら、狙いを定める。
フロア全体に響く掛け声と共に強烈な必殺技を放つ。
ダークゼイター「んぐうううぅっ!!」
雷を纏った槍の形をした炎がコックピットのガラスを、ゼイターの胴体、機体後部を順に貫いた。
渾身の一撃で勝敗が決まった。
必殺技を放った後、正男は床に着地する。
ダークゼイター「あぁ…、これは参ったな…、ハハハ」
ダークゼイターは自身の手で貫通した傷穴に触れ、
付着した血液を自分の目に持っていく。
一撃を食らったにも関わらず、何故か笑みを崩さない。
ダークゼイター「これは流石に戦えそうにないな…、
よし…、俺との勝敗はお前で決まりだ。
だが、この殺戮劇の勝敗は俺だ…」
正男「何っ?」
ダークゼイター「日を追う毎に周りに変化が起きる…。
どう変わるか、お前が確かめるといい…。
あぁ…、疲れてきた。 俺は一旦、休むとしよう。 またな…」
これから何かが変わる事を予見しているかのように述べると、
ヘリの機体が燃え上がり、
ゼイターの身体が焦げる姿を見るまでもなく下へ墜落した。
正男「戦いが終わったのにスッキリしない…」
今度こそ、黒幕に勝利を収めた正男。
だが、素直に喜べず、どこか釈然としない。
正男「ここにいる必要はないな…。 あばよ」
正男は背を向け、ゆっくりとその場から離れて行った。
ダークゼイターが言う"変化"とは何か、ようやく理解した。
例の巨大な施設は都市開発機構の"一部"が
秘密裏で建造された未知の生物の保管する研究施設であると軍の調査で判明。
その存在を隠す為、市民の税金を使ってヒレッジニュータウンという新興都市を造成した。
実態を矮小化される筈であったが、ダークゼイターが撮影した映像がネットに晒しだした事で明らかにされた。
武装集団によって命を落とした市民の遺族や、
地下の存在を知らされていない都市開発機構と地方自治体、
必死で街を守っていた警察や都市開発機構の警備隊の生き残り、
税金を払っていた人達は驚愕をし怒りの声を上げた。
事件は終結したが、ヒレッジニュータウンは厄災を招く地として誰も寄り付かなくなり、ゴーストタウンとになってしまった。
犠牲者の遺族に対する給付金は
自治体が各地で発生しているテロリストの討伐が優先という理由で未だに交付されておらず、
批判の声を上げている。
大勢の犠牲を払って戦いが、
このように渦根を残る結果になってしまったのである。
数週間後…
正男はとある病院に足を運んでいた。
共に戦った戦友を会いに行く為に。
正男「やぁ守、具合の方はどうだい?」
守「ははは・・・、傷口から入った病原菌が原因で容態が悪くなる可能性があるらしい…。 というのは冗談だ。
まぁ、本当は徐々に回復に向かっている。 早いうちに退院だ。
それから、事後の後処理で掛け持ちをしなければならない。
これが元でドラゴンよりも過重勤務で死んでしまうかもしれないな」
正男「所々にジョークを言うようになったな」
守「忝い。 …もう一つ、俺は人々の変化を注意深く見なければならない」
正男「どういう事だ…?」
守「此処に住む人達の中に今の状況に嘆いて、
過激化の動きが目立っている。
よからぬ噂がウチの中に広まっているんだ」
正男「ヒレッジニュータウンの地下の事か…?」
守「その通りだ。 まさか地下に悍ましいものを建てられていたとはな。
…俺は考える。 近いうちに同じような悲劇が繰り返さないかって」
重々しい台詞と共に、不安そうな表情で俯いている。
…その直後、気が変わったかのように顔を上げた守。
守「まぁ何とかしてみるさ。 すまんな、俺の弱音を吐くところを見せてしまって」
正男「気にはしていなさ。
もし、手を貸して欲しいんだったらいつでも言ってくれ。
出来る限りの事はするからさ」
守「ありがとうな」
正男「じゃあ俺は行く。 お大事に」
病院の外に出た正男。
ヒレッジニュータウンの一件、守のこれから先の不安について脳裏に浮かんだ。
事件が終わっても、平穏が続くとは思えない。
正男もそう感じている。
正男(ダークゼイターの言うように、変化が起きる。
俺にとって想像つかない最悪の変化。
心が折れるような出来事が来るかもしれない。
だが、報われない運命に俺はいつでも立ち向かう。 絶対に…)
そう胸に込めた正男は真剣な面持ちで病院を後にした。
この先で何が起こるのだろうか…? 誰にも分からない。
ただ、待ち受ける未来に向き合うのみである。
RED ZONE
THE END
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