楽園…、それは誰もが永く心地よく安らかで楽しさが溢れる場所

パラダイズは誰もが憧れる安息の地

空に輝く星のように高く壮大な理想を求める

楽園という儚き夢に今、手が届きだす




スーパー正男 パラダイズ




薄暗い曇り空から降り注ぐ小粒の雨水。 
雨水に打たれる石畳の道の双方には木々と緑の苔に覆われた墓石が並ぶ。

静かな墓地に霧雨から花束を持った若い男が現れる。
その男はとある墓石の前に立ち、花束を添えた。

墓石には人の業により命を失ったペットモン達と記されていた。
祈りを済ませると、若い男はその墓を離れる。
道中、もう一人の男が歩いてきた。 若い男はその男にお辞儀をした。

若い男が墓地を過ぎた後、もう一人の男は花束を置いた墓石の前に立っていた。
辛そうな目に、拳を握り締めながら…。




…数週間後。


晴天の中、赤い帽子、赤いオーバーオール、青いシャツを着た若い男が歩いていた。
彼の名は正男。 人並外れた力を持ち、その力で世間の役に立たせている。 
自分曰く、どうしてこの力を付けているのか分からないらしい。

歩いて数十分後…。

彼が辿り着いたのはドクター・キドの研究所。 
此処ではペットモンという生き物を扱うトレーナーになる為に初めて訪れる場所。

彼が此処に来たのはペットモントレーナーになって、世界一を目指す。
…という訳ではなかった。
何せ彼はトレーナーという職に興味はなく、冒険やのんびりとした生活を送る事を好む。


ドクター・キド「おぉよくぞ来てくれた。 さぁさぁお茶を入れておいたから飲んでくれたまえ」

正男「いやいやっ これは申し訳ない事です。 でも入れて頂いたのでありがたく」


研究所の応接室。
白いテーブルにドクター・キドと対面しながら茶を頂く正男。


正男「ぜん茶ですか…。 ほどよい香りでこの俺も落ち着きますよ。 
ではドクター、この俺にお伺いしたい重要な一件とは?」

ドクター・キド「君も存じておるだろう」

正男「あぁ、もしかしてあれですか」

ドクター・キド「そう、
各地でペットモンが狂暴化したという事だ。
一部のペットモンは街を襲い被害が出たという情報が出回っている。
更に異なる種が徒党を組んで集団化している

正男「驚いたな…。 別種同士で組むなんて」

ドクター・キド「驚くべき事はそれだけでない。 
ペットモンは城などを建てて新たなテリトリーを築いておる。
この不可解かつ大胆な行動は大勢の専門家が慌てふためいておる」

正男「まるで俺たち人間に牙を向いたかのようだ」

ドクター・キド「君が来る前から既に
ザトシクリスを始めとした各トレーナーや警察が対処に当たっている」

正男「あぁザトシか…、アイツは頼もしいぜ。 それで、事は進んでいるのですか」

ドクター・キド「事態は思うように進まん」

正男「えっ…、そりゃあ何て事だな」

ドクター・キド「正男、これは人間とペットモンが共生する社会において揺るぎかねない事態だ。
君にペットモンの暴走を止めるという大役を担ってもらいたい」

正男「こうなってしまったら受け入れない訳にはいきませんな。 
了解しました、ドクター。 この俺が状況をひっくり返して見せますんで。
でないと、穏やかな生活とのんびりとした冒険が出来ないんでね」

ドクター・キド「おぉ頼もしい。 さすが世間から認められた男だ」




ドクター・キドの重大な頼みを直ぐに承諾した正男。
野生のペットモンの暴走と原因究明の為に動き出すのである。

しかし、単純明快の冒険の筈が
正男ですら信じられない真逆の方向へ突き進むのである。


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