霧が立ち込める程の降りしきる前、森の奥深いところにひっそりと佇む墓場があった。 
墓参りに来た一人の若い男が花束を持って雨水に打たれた石畳の道を歩く。
墓を後にする別の男性と通り掛かった時、静かにお辞儀をしてた。 
静かに佇んでいるように見えるが、表所は暗く、どこか抑えきれていない。

人の業により命を失ったペットモン達と記された墓に花束を沿えた一人の若い男。


「…そこの男」


ふと、背後から背筋が震えるほどの冷たい声が耳の届く。 周囲には誰一人いない。


「その無念を、我と共に晴らさないか?」


再び、生気のない声で語り掛けた。 
無表情を装っているが、幻覚でも聞こえたのかと戸惑っている。
若い男は意を決して振り向いた。 

そこには無数のペットモンが男を見つめるように立っていた。
ペットモンの皆、肌は薄暗く、黒ずんだ瞳から血の涙が流れていた。


これは幻か…? 金縛りのように硬直してしまう若い男。 
瞬きをした瞬間、そこにいた無数のペットモンは霧のように消え去っていた。




コガ「はっ! …はぁ、…はぁ。 ふぅ…、また嫌なゆめを…」


パープル団の拠点にある、首領の部屋のベッドの上で目を覚ますコガ。 身体中が汗で流れていた。

組織の活動で一段落を済ませたコガは自分の部屋で仮眠を取っていた。 
目を覚ました時は静粛に包む夜。 
窓から差し込む月の光が暗い部屋の床に微かな輝きを映りこむ。 

夢を見たと感じたコガは落ち着きを取り戻そうとするが、震えが止まらない。 
自分しかいない部屋なのに、どこからか感じる冷たくて鋭い視線を感じさせ、コガの身体を一瞬硬直させる。

コガは息切れしながら、部屋の窓を見つめた。 
窓越しに見える月の光が自分の知らない何かを暗示しているかのように、コガの心は静かに揺れていた。




ここから正男とクリスの視点に移る


氷のブロックで出来た城の中で激闘していた正男とダークザトシ。
半裸姿で無敵と自負していたダークザトシだが…


正男「オラオラオラオラオラオラアアアァァァッッッ!!!」

ザトシ「んごおおおおおおー----っ!!」

またしても連続腹パンを喰らうザトシ。 そして、またしても余裕の表情のザトシ。


ザトシ「おいおい? お前のパンチはこのくらいのものかよぉ? この程度じゃ、この先は厳しいぜぇぇ…」 バタッ


余裕をこいた台詞を吐きかけた直後、その場で倒れて気絶した。
冒険とペットモンに愛を注ぐ男と戦闘のプロフェッショナルの男、どちらが強いかはもう言うまでもない。
今回もダークザトシは正男に二度も敗れ去ったのである。


正男「今回はすっぽかしていく訳にはいかないな…。 とりあえず、こいつをキドのとこに運んでいくか。 んっ!?」

クリス「ザトシの床に光が!」


突如、倒れたザトシの床に光が放たれ、ザトシを眩い光を包む。 光が消えた瞬間、そこにザトシがいなかった。


正男「これはミウセカンドの能力の一つ! テレポートだ! どうやら、ミウセカンドはこんな事をされてもザトシを気に入っているようだな」


ダークザトシの一件を終えた正男は氷山を後にした。


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